2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21591910
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
今泉 秀樹 東北大学, 大学院・歯学研究科, 大学院非常勤講師 (70250785)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井樋 栄二 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (80193465)
岸本 光司 東北大学, 病院, 助教 (10344665)
鈴木 治 東北大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (60374948)
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Keywords | リン酸カルシウム / ヒアルロン酸 / 人工骨 |
Research Abstract |
リン酸オクタカルシウム(OCP)は、は焼結できず、形態維持ができないため、操作性の問題から臨床での使用が難しい状況であった。形態付与材としてはコラーゲンやPLLA、PLGAなどの使用が考えられ、実際にコラーゲンとの複合体を作製し優れた骨伝導能、吸収性を証明してきた。しかし複雑な形状の骨欠損部補填には操作性の良い、いかなる形状の骨欠損にも充填可能なペースト状人工骨の使用が望まれる。そこで生体に広く分布する細胞外基質であるヒアルロン酸のOCPへの形態付与材としての可能性を考えた。平成21年度に市販ヒアルロン酸製剤(分子量190万)に従来の湿式合成法を用いて作成したOCP顆粒を混合しペースト状複合体を作製した。本複合体はシリンジに充填可能で操作性が安定しており目標部位への移植が容易であった。平成22年度、分子量190万のOCP/ヒアルロン酸複合体をマウス(n=6)頭蓋冠上に設置したテフロン製リング内へ移植した。タイムポイントを3週、6週に設定し軟X線撮影、マイクロCT、組織を観察すると骨上に明らかな骨形成が見られた。平成23年度は、新たなヒアルロン酸製剤2種類(分子量約90万、約600万)にOCPを加えて3種類の複合体を作製し、前述のマウス頭蓋骨移植モデルに移植して骨形成の有無を比較した。タイムポイントを3、6、9週に設定し骨形成率を測定するとOCP単独移植例と比べて分子量90万、600万の複合体は6週の時点で有意に高かった。材料残存率は各タイムポイントでOCP担体とほぼ同等であった。本研究結果よりヒアルロン酸はOCPにinjectableな形態を付与しOCPの持つ骨形成能と吸収性を阻害せず、OCPの新たな形態付与材料として臨床へ応用できる可能性があることが分かった。
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