2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21591913
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
鈴木 昌彦 Chiba University, 大学院・医学研究院, 講師 (10312951)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大鳥 精司 千葉大学, 医学部附属病院, 助教 (40361430)
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Keywords | PEEK / 生体活性 / Revision / 椎体ケージ / ケージ |
Research Abstract |
人工関節手術は年間約12万件以上行われており、年々その数は増加している。しかし、それにともない人工関節再置換術の頻度も増加している。これらの再手術では骨皮質が皮薄化し骨欠損の範囲も大きくなることが手術を難しくしている。生体材料の進歩により非荷重部の骨欠損に対してはある程度の対応が可能となったが、荷重部などの力学的強度を必要とする部分では生体材料の使用が制限される。海外では骨欠損部が大きい場合にはallograftを使用することができるが、日本ではallograftの供給源も少なく倫理的にも使用が煩雑である。そこで本研究の目的は、CaO-SiO_2 particleとpolyetheretherketone(PEEK)を用いて荷重部の骨欠損部に対して使用可能な新規生体材料を開発して評価することである。 CaO-SiO_2 particleとPEEKを2:8で混合して150MPaを加えた後に360度で30分処理して、生体活性PEEKのディスクを作成した。変形性関節症患者から摘出したヒト骨芽細胞を、生体活性PEEK上および未活性PEEK上で3、7、21日間培養し、骨芽細胞分化マーカー(collagen type I、alkaline phosphatase、osteopontin、osteocalcin)のmRNA発現をリアルタイムPCR法にて検討した。その結果、生体活性PEEK上で培養したものにおいては成熟した骨芽細胞から分泌されるosteopontin、osteocalcinのmRNA発現量が、未活性PEEKに比べて高い値を示した。また、アリザリンレッド染色によって、生体活性PEEKの方が高い石灰化度を示すことが確認された。以上から、生体活性PEEKは骨芽細胞の分化を促進し、さらに、石灰化を促進する可能性が考えられた。
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