2009 Fiscal Year Annual Research Report
軟骨損傷に対する滑膜幹細胞浮遊液静置療法において細胞接着効率を向上させる為の検討
Project/Area Number |
21591914
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
関矢 一郎 Tokyo Medical and Dental University, 医歯学総合研究科, 寄附講座教員 (10345291)
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Keywords | 間葉幹細胞 / 滑膜 / 軟骨 / マグネシウム / インテグリン |
Research Abstract |
我々は関節軟骨欠損部に間葉幹細胞の浮遊液を10分間静置すると、60%以上の細胞が接着し、軟骨修復が促進することを報告している。一般的に、細胞接着や分化にはインテグリンが関与し、マグネシウムの影響を受けることが知られている。今回マグネシウムが滑膜幹細胞の接着、及び軟骨分化へ与える効果を検討した。 人工膝関節置換術後に得られた滑膜と軟骨を研究に使用した。滑膜から間葉幹細胞を分離し、dish及び軟骨欠損部への接着に対するマグネシウムの効果を解析した。また、ペレット培養の系で、マグネシウムが軟骨分化能に与える効果を解析した。さらに家兎の滑膜から幹細胞を採取し、標識した細胞の浮遊液を軟骨欠損部に静置し、1日後に接着能、4週後に修復能を組織学的に解析し、細胞浮遊液に添加するマグネシウムの効果を検討した。 In vitroの検討で、マグネシウムは容量依存性に、ヒト滑膜幹細胞のcollagen coated dish及びヒト軟骨欠損部に対する接着性を増加した。In vitro軟骨分化の検討で、マグネシウムはヒト滑膜幹細胞の軟骨基質産生を促進した。滑膜幹細胞はα3β1インテグリンを発現し、この中和抗体により、マグネシウムの効果は阻害された。家兎の膝関節軟骨欠損に対して滑膜幹細胞浮遊液を静置するin vivoの検討で、マグネシウム添加群は、移植1日後に接着細胞数を増加させ、4週後には軟骨修復を促進した。 マグネシウムはα3β1インテグリンを介して、滑膜幹細胞の軟骨欠損部への接着と、軟骨基質産生を増加させた。本知見は滑膜幹細胞を用いる軟骨再生医療の成績を向上させるものである。
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Research Products
(2 results)