2011 Fiscal Year Annual Research Report
骨軟部肉腫に対する新規遺伝子治療法-腫瘍内ウイルス拡散をターゲットとして
Project/Area Number |
21591920
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
永野 聡 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教 (50373139)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小宮 節郎 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (30178371)
瀬戸口 啓夫 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教 (40423727)
神囿 純一 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 医員 (30444897)
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Keywords | 癌 / 遺伝子治療 / ウイルスベクター / 骨軟部腫瘍 |
Research Abstract |
骨軟部肉腫をターゲットした、副作用の軽減と治療効果の増強を可能とする新しいOncolytic Virus (OV)を開発し論文発表した.非常に癌特異性の高い分子であるSurvivinのプロモーターをE1A、骨芽細胞系の細胞をターゲットするosteocalcinプロモーターをE1Bプロモーター部位に挿入し、Survivinとosteocalcinプロモーターのダブルの制御を可能とした新しい増殖制御型アデノウイルスCRA.Surv-OCを作成した.Survivinプロモーターに非特異的なCMVプロモーターを組み合わせたCRA.Surv-CMVと比較して、CRA.Surv-OCは、OCプロモーター活性が非常に低いにも関わらず、同等の治療効果を維持しながら、骨芽細胞を含む複数の正常細胞に対して、CRA.Surv-OCはCRA.Surv-CMVと比較して低い細胞毒性を示した.また、細胞外マトリックスを制御するMatrix Metalloproteinase (MMP)の癌細胞における役割を検討し発表した(CAncer Res, 2011).MT1-MMPが乳癌細胞の血管浸潤と転移を促進することが明らかとなり、新たな遺伝子治療のターゲットと考えられる.遺伝子治療のターゲットとしての骨肉腫細胞内シグナルの研究としてはヘッジホッグ経路が細胞増殖に促進的に働き、とくにGLI2が有用なターゲットとなることを発表した.また、亜砒酸が骨肉腫におけるGLIの作用を抑制し治療効果を持つことを見出しており、臨床応用に期待が持てる.
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Research Products
(15 results)