2009 Fiscal Year Annual Research Report
悪性骨軟部腫瘍発生におけるDNA二本鎖切断修復異常の意義
Project/Area Number |
21591926
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Research Institution | Department of Clinical Research, National Hospital Organization National Kyushu Cancer Center |
Principal Investigator |
田仲 和宏 Department of Clinical Research, National Hospital Organization National Kyushu Cancer Center, 臨床研究部, 客員研究員 (10274458)
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Keywords | 骨軟部腫瘍 / 染色体転座 / DNA二本鎖切断修復 / 発がん |
Research Abstract |
本研究の目的は、DNA二本鎖切断修復を担う分子の構造および発現の異常を悪性骨軟部腫瘍細胞において網羅的に解析することにある。解析を予定しているDNA二本鎖切断修復分子は1)共通経路:MRE11,NBS1,RAD50、2)相同組換え経路(Homologous Recombination : HR):RAD51,RAD52,RAD54、3)非相同末端結合経路(Non Homologous End Joining : NHEJ):DNA-PKcs,Ku70,Ku80の3グループ計9分子である。これらの各分子について、発現解析、構造解析、修復活性の解析を行う。まず平成21年度は、ユーイング肉腫細胞株SK-N-MC、WE-68細胞におけるこれら諸遺伝子の発現異常をひろく観察することとした。2つの細胞株よりtotal RNAを抽出し、正常ヒト初代培養線維芽細胞MRC-5を対照としたDNAマイクロアレイ解析を行った。その結果、DNA二本鎖切断修復遺伝子の多くで、発現異常、とくに発現レベルの上昇が見られた。これら遺伝子の発現レベルの上昇がもつ病因論的意義は現時点では明らかではないが、今後これらの遺伝子発現異常がgenomic DNAのいかなる構造異常によってもたらされているか、解析を進めたい。
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