2011 Fiscal Year Annual Research Report
股関節包と股関節唇の関節軟骨保護機能に関する生体力学的研究
Project/Area Number |
21591928
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
伊藤 浩 旭川医科大学, 医学部, 准教授 (80261296)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松野 丈夫 旭川医科大学, 医学部, 副学長 (10165847)
谷野 弘昌 旭川医科大学, 医学部, 特任講師 (70422045)
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Keywords | 股関節唇 |
Research Abstract |
まずビーグル犬股関節に荷重負荷をかけつつ、同時にMRI撮影を施行できる荷重システムを構築した。犬股関節を設置可能な、幅138mm、奥行き90mm、高さ91mmの容積を有するボックスと、直径63mmのピストンを連結した荷重装置を設計、制作した。固定肢位は股関節中間位とし、骨盤側をピストン先端に、大腿骨側をボックス底面に完全固定した。MRI装置内で用いる本荷重装置はポリカーボネート(一部ポリ塩化ビニル、アクリル)を用いて作成し、ピストンリングとしてニトリルゴム(NBR)、エアシール用にシリコングリスを用いた。コンプレッサの最大発生圧力は4.2MPaであるが、その他の装置、連結チューブ、繋ぎ手は許容圧力1MPa以上で選定し(最大1.OMPa=3077N)、十分な安全率を考慮した機器選定とした。4匹のビーグル犬(体重約20kg)の、関節包より外の軟部組織を取り除いた股関節を採取し、実験まで冷凍保存した。軟骨厚の評価には1.5-TのMRI(EXCELART Vantage XGV1.5T:東芝メディカルシステムズ)を用いた。犬股関節肢位はneutral positionとし、冠状断撮影で評価した。サブトラクション画像を作製し、関節軟骨厚の評価は骨頭中心を通る断面で行い、臼蓋軟骨と大腿骨頭軟骨の両者を含む厚さをdigital image上で計測した。 2~2,5時間の荷重負荷に対して、股関節唇切除、関節軟骨の変形にどれだけ影響を及ぼすかを評価した。軟骨厚を経時的に観察し検討したところ、関節唇の切除により早期に関節軟骨が変形することが判明した。120分荷重負荷後の軟骨厚の変化量は最終的にはほぼ同等であった。これらの結果より、股関節唇には関節軟骨への負荷を均等に分散させ、最荷重部の軟骨への負荷を軽減する役割があることが示唆された。
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Research Products
(2 results)