2010 Fiscal Year Annual Research Report
転写因子C/EBPファミリーによる軟骨代謝調節メカニズムの解析
Project/Area Number |
21591930
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
三浦 俊樹 東京大学, 医学部附属病院, 特任講師 (20376479)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川口 浩 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (40282660)
筑田 博隆 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (30345219)
伊藤 英也 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (30436464)
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Keywords | C/EBPファミリー / Runx2 / 軟骨代謝 / 変形性関節症 |
Research Abstract |
2年目となる本年は以下の成果を得ることができた。 1)生理的条件下でのC/EBPβ,δ,ε単独遺伝子欠損マウスの軟骨組織解析(後半):C/EBPβ,δ,ε遺伝子欠損マウスとWTの新生仔肋軟骨から軟骨細胞を採取して以下の検討を行った。軟骨細胞の増殖を評価した結果、特にC/EBPβ遺伝子欠損により軟骨細胞の増殖能が更新していること、およびその下流で細胞周期関連因子としてCDKインヒビターの一つであるp57の発現が関与していることが明らかとなった。また、軟骨細胞分化についてはC/EBPβ、δ、εいずれにおいても遺伝子欠損により肥大分化以降にかかわる各種マーカーの発現の低下を確認することができた。 2)病的条件下でのC/EBPβ,δ,ε単独遺伝子欠損マウスの軟骨組織解析(後半):OAモデルについての解析を引き続き行った。外科的手術を行い膝の不安定性を惹起するモデルのみならず、自然経過例におけるOAの進行についての検討を行い、C/EBPβ遺伝子欠損マウスでのOAの進行が抑制される傾向を確認した。 3)軟骨細胞におけるC/EBPファミリーの上流・下流のシグナル分子の同定(後半):これまでの解析結果から軟骨細胞においては最も強い作用を持っていることが示唆されるC/EBPβの上流シグナルについてそのプロモーターを用いた検討を行った。軟骨分化にかかわる各種転写因子を作用させ、このプロモーター領域を組み込んだレポーターベクターと共導入したところ、HIF2αが最も強い転写活性を有していることが判明した。さらに、プロモーター領域の段階的欠失、変異コンストラクトにより、その応答領域としてC/EBPβプロモーター上にhypoxia responsive element (HRE) motifを同定し、同部へのHIF2αの結合性も確認することができた。
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