2011 Fiscal Year Annual Research Report
転写因子C/EBPファミリーによる軟骨代謝調節メカニズムの解析
Project/Area Number |
21591930
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
三浦 俊樹 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (20376479)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川口 浩 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (40282660)
筑田 博隆 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (30345219)
伊藤 英也 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (30436464)
|
Keywords | C/EBPファミリー / Runx2 / 軟骨代謝 / 変形性関節症 |
Research Abstract |
最終年度である本年は以下の成果を得ることができた。 4)C/EBPβ,δ,εの複合遺伝子欠損マウスの作成と生理的・病的条件下での軟骨組織の解析 これらの遺伝子欠損マウスを交配させ、C/EBPβ;C/EBPε遺伝子欠損マウスならびにC/EBPδ;C/EBPε遺伝子欠損マウスを作製した。C/EBPδ;C/EBPε遺伝子欠損マウスにおいては生理的な骨格成長を経時的におって解析したものの明らかな骨格形成の異常は確認できなかった。C/EBPβ;C/EBPε遺伝子欠損マウスにおいてはC/EBPβ単独のものと比べ胎生期において更なる成長障害が生じていることが明らかとなった。しかし、胎生後期以降においてはその複合ホモ遺伝子欠損マウスを得ることはできず、胎生致死と考えられた。病的条件として変形性関節症モデルを複合ヘテロ遺伝子欠損マウスに対して作出したものの、C/EBPβ遺伝子単独のヘテロ遺伝子欠損マウスと比べ明らかな関節症の進行の差は認めなかった。 5)C/EBPβ,δ,ε遺伝子欠損マウスとRunx2遺伝子欠損マウス交配による軟骨肥大分化におけるマスター分子との生理的相互作用の検討 これらの中で特に表現型の強かったC/EBPβ;Runx2遺伝子欠損マウスの解析を行った。結果として、C/EBPβホモ;Runx2ヘテロ遺伝子欠損マウスは生後まで成長障害が継続し、C/EBPβホモ遺伝子欠損マウスより著名な表現型を呈することが確認できた。組織学的解析の結果、MMP13の発現の著しい低下が確認され、更なる解析の結果、そのメカニズムのひとつとしてC/EBPβとRunx2が協調してMMP13を転写誘導し、軟骨の基質分解を促していることが明らかとなった。さらに変形性関節症モデルにおいてもこの複合遺伝子欠損マウスにおいて、単独のもの比べてその進行が抑制されていることが明らかとなった。
|