2011 Fiscal Year Annual Research Report
破骨細胞分化におけるTGFシグナルとTRAFシグナルのクロストーク
Project/Area Number |
21591932
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
門野 夕峰 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (70401065)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 栄 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (50282661)
安井 哲郎 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (30583108)
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Keywords | 骨・軟骨代謝学 |
Research Abstract |
TGF-βが破骨細胞形成において必須であることを我々は前年度までに明らかにした。 「実験2.TGF-βシグナルによるTRAF6シグナルコンプレックス形成に対する影響の検討」 BMMφをRANKLで刺激することで破骨細胞分化が誘導される。分子レベルでは、RANKLが受容体RANKに結合すると細胞内にTRAF6-TAK-TABシグナルコンプレックスが形成される。我々は、TGF-β阻害剤投与あるいはドミナントネガティブ型TGF-β受容体強制発現を行ったBMMφをRANKLで刺激し、シグナルコンプレックス形成およびその下流シグナル伝達系の活性を調べた。 RANKL/RANK下流で機能するTRAF6-TAK-TABコンプレックス形成において、TGF-βシグナルが重要な役割を果たすことを前年度までに明らかにした。23年度は、Smad3分子がTRAF6-TAK-TABコンプレックスの構成要素であると考えられること、そして活性型Smad3の参加なくしてはこのコンプレックスそのものが形成され得ないことを示唆する実験結果を得た。すなわち、TGF-β刺激により活性化されたSmad3がRANKL/RANKシグナル伝達のキーとなる分子として機能していることが分かった。 以上から、分化因子RANKLにより誘導される破骨細胞分化におけるTGF-βシグナルの必須性、さらにはそのメカニズムの一端が明らかとなった。この知見は、さらなる実験・検討を経る必要はあるものの、破骨細胞分化の制御機構の全容の解明へとつながるものである。
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Research Products
(1 results)