2011 Fiscal Year Annual Research Report
IL-1beta,IL-18を活性化するASCを標的とした関節リウマチ治療実験
Project/Area Number |
21591939
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
竹岡 みち子 信州大学, 医学部, 非常勤講師 (30197280)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷口 俊一郎 信州大学, 医学系研究科, 教授 (60117166)
江原 孝史 信州大学, 医学部, 准教授 (00203646)
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Keywords | 関節炎 / ASC / IL-1beta / IL-18 / DBAマウス / コラーゲン誘発関節炎 |
Research Abstract |
関節リウマチ(RA)は、持続性の関節炎を引き起こす自己免疫異常による疾患であり、詳細な病態は解明されていないが、RAに関わる炎症性サイトカインにはIL-1βやIL-18も重要な役割を果たしていることが明らかにされている。我々の研究室では、自然免疫の中心的分子であり、IL-1βおよびIL-18を活性化するASC蛋白質を世界に先駆けて単離しており、この系が、RAの実験モデルであるコラーゲン誘発関節炎と同じ蛋白質を介することが最近報告された事から、RAにおけるASCの大きな役割が示唆された。そこで、ASCの抑制がIL-1β、IL-18の活性化を抑え、RAにおける滑膜炎症、骨・軟骨破壊を防ぐことができるかを検討してきた。 その結果、以下の事実を得たため、Rheumatology Internationalに「ASC plays a role in the priming phase of the immune response to type II collagen in collage-induced arthritis」として発表した。即ち、II型コラーゲン誘発関節炎はASC欠失マウスにおいて、有意に関節炎が抑制され、IL-1β、IL-18の発現も低下していた。一方、抗II型コラーゲン抗体誘発マウスでは、ASC欠失マウスは関節炎は抑制されず、IL-1β、IL-18の発現は対照群と同等であった。IL-1β、IL-18活性化に関わるASCは、II型コラーゲン誘発性関節炎に関与しているが、抗II型コラーゲン抗体誘発性関節炎では関与が認められなかったことから、ASCはII型コラーゲン誘発関節炎のII型コラーゲンに対する免疫初期段階で関与していることが示唆された。ASCの関与する、IL-1β、IL-18活性化の上流に関わる経路を阻害することによって、RA病態の解明と新しい治療薬の開発につながる可能性があるというものである。以上よりASCがリウマチ発症の初期に関わる事が示唆された事から、更に患者の血球におけるASCの発現変化の研究に発展させたい。
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