2010 Fiscal Year Annual Research Report
細胞系譜特異的ノックアウトを用いたIKK-NFκBの造骨機構における意義の解明
Project/Area Number |
21591941
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
加藤 友久 京都大学, 再生医科学研究所, 講師 (50301247)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
戸口田 淳也 京都大学, 再生医科学研究所, 教授 (40273502)
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Keywords | 造骨機構 / 細胞系譜 / シグナル伝達 / NF-κB / IKK |
Research Abstract |
本年度は間葉系幹細胞から骨細胞に至る骨形成細胞系譜において細胞特異的にNF-κBシグナル伝達系のマスターレギュレーターであるIkkβ遺伝子を欠失したマウスの解析を実施した。I型コラーゲンα1ポリペプチド鎖の遺伝子のプロモーターによってCreリコンビナーゼを発現するCollal-Creトランスジェニック(Tg)マウスとIkkβ floxedマウスの交配で得られる骨芽細胞において特異的にIkkβ遺伝子を欠失するIkkβ^<{ΔOSB}>マウスでは骨形成能に正常群と比較して優位な差はみられなかった。現在、骨芽前細胞特異的に発現するOsterix遺伝子のプロモーターによってCreリコンビナーゼを発現するOsx-Cre Tgマウスとの交配によって骨芽前駆細胞において特異的にIkkβ遺伝子を欠失するIKKβ^<{ΔPre-Osb}>マウスを作製し解析を進めているが、骨芽細胞にコミットした細胞群ではIKK/NF-κBシグナル伝達系は骨形成能に影響しないものと考えられる。 一方、発生初期の肢芽において特異的に発現するpaired-related homeobox gene-1(Prx1)遺伝子のプロモーターによってCreリコンビナーゼを発現するPrxl-Cre Tgマウスとの交配で肢芽において特異的にIkkβ遺伝子を欠失する1KKβ^<{ΔLMB}>マウスを作製して解析を行ったところ、長骨の長さが短くなるという表現型を見出した。この原因として、成長板に異常があることを示唆する結果を得ている。現在、成長板軟骨の分化、細胞死に差異があるかを詳細に検討している。また、軟骨細胞特異的に発現するII型コラーゲンα1ポリペプチド鎖の遺伝子のプロモーターによってCreを発現するCol2a1-Creマウスとのかけ合わせによって内軟骨性骨化のプロセスにIKK/NF-κBシグナルが関与するかを検討している。
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Research Products
(4 results)