2009 Fiscal Year Annual Research Report
間葉系幹細胞を用いた軟骨細胞が分泌する新規骨芽細胞分化調節タンパク質の同定
Project/Area Number |
21591945
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
佐々木 順造 Okayama University, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (30093686)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾崎 敏文 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (40294459)
森本 裕樹 岡山大学, 大学病院, 助教 (00452574)
藤田 洋史 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (20423288)
三木 友香里 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 非常勤研究員 (70397876)
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Keywords | 間葉系幹細胞 / 骨芽細胞分化 / 死細胞 |
Research Abstract |
軟骨培養細胞の培養上清に含まれる骨芽細胞分化調節タンパク質を同定するため、本研究課題の目的は、第一に、軟骨細胞分化の前後で培地中に含まれるタンパク質の中で顕著に量的変化を示すタンパク質を検索し、同定することである。この研究の過程で、私たちは軟骨細胞の培地中よりもむしろ分化中にできる死細胞に、骨芽細胞の分化を調節するタンパク質があることを発見した。死細胞を間葉系幹細胞へ添加して、骨芽細胞分化培地中でインキュベートすることで骨芽細胞マーカー遺伝子であるオステオカルシンが時間依存的に誘導された。さらに、石灰化についても、Arizarin red Sにより検出すると、死細胞非添加では8日目から石灰化を開始するのに対して、死細胞添加により石灰化開始時間が2日となり、強く促進された。死細胞中のタンパク質をトリプシン処理により分解してもその石灰化に抑制作用を示さず、死細胞のタンパク質は重要ではないことが示唆された。また、パラホルムアルデヒドによる固定によってもその作用の低下は認められず、死細胞タンパク質が重要ではないことが示唆された。死細胞の膜フラクションと細胞質フラクションの石灰化活性を調査したところ膜フラクションにその活性が認められた。さらに、膜フラクション中のリン脂質が必要かTritonやMetOHを用いて細胞の脂質を除いたところ抑制作用は認められなかった。以上の結果から死細胞が誘導する石灰化において、死細胞のタンパク質、リン脂質以外の因子が重要であることが明らかとなり、骨芽細胞の分化と石灰化の機構の解明の足掛かりを見つける意義のある成果が得られた。
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Research Products
(3 results)