2010 Fiscal Year Annual Research Report
間葉系幹細胞を用いた軟骨細胞が分泌する新規骨芽細胞分化調節タンパク質の同定
Project/Area Number |
21591945
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
佐々木 順造 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (30093686)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾崎 敏文 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (40294459)
森本 裕樹 岡山大学, 病院, 助教 (00452574)
藤田 洋史 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (20423288)
三木 友香理 香川県立保健医療大学, 保健医療学部, 助教 (70397876)
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Keywords | 間葉系幹細胞 / 骨芽細胞分化 / 死細胞 |
Research Abstract |
間葉系幹細胞の骨芽細胞への分化には、転写因子Runx2が関与しており、これが、骨シアロタンパク質(骨形成マーカー)の発現を調節することが解明されている。申請者らは、軟骨内骨化の組織学的解析から、骨芽細胞は、死滅した肥大軟骨細胞のまわりの軟骨基質を選択的に骨化し、生存している軟骨細胞のまわりの軟骨基質を骨化してないことに、着目した。私たちは、軟骨細胞が、間葉系幹細胞の骨芽細胞への分化の阻害分子を分泌している可能性を考え、研究を開始した。この研究の過程で、私たちは軟骨細胞の培地中よりもむしろ分化中にできる死細胞に、骨芽細胞の分化を調節する分子があることを発見した。前年度までに、死細胞が誘導する石灰化において、死細胞の膜画分が重要である事を示した、当該年度では、PI染色とカルセイン染色により添加した死細胞が石灰化の中心となることを示した。さらに、その死細胞は、カスパーゼ依存的に誘導されるものとそうでない、おそらくネクローシス様の死細胞が混在することを示した。また、この細胞死では、オートファジー関連分子の変化が認められたものの、細胞死はオートファジー阻害剤によって抑制されず、オートファジックな細胞死ではない事が示唆された。以上の結果は、in vitroで骨芽細胞による石灰化に、間葉系幹細胞のアポトーシスとネクローシス細胞が関与し、石灰化の核形成過程に死細胞の膜分子が関与することを示唆する。
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Research Products
(6 results)