2010 Fiscal Year Annual Research Report
骨粗鬆症に伴って発生する関節破壊のメカニズムの解明
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21591948
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
山本 卓明 九州大学, 大学病院, 講師 (20336035)
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Keywords | 骨粗鬆症 / 骨壊死 / 大腿骨頭軟骨下脆弱性骨折 / 関節破壊 / 骨切り術 / 病理像 |
Research Abstract |
若年者に発生した大腿骨頭軟骨下脆弱性骨折に対して、関節破壊を防止するための治療法の一つである大腿骨頭回転骨切り術の術後成績とその治癒パターンについて検討した。 1.内容 【研究の目的】大腿骨頭軟骨下脆弱性骨折(以下SIF)は、骨粗鬆症を有する高齢者に発生するとされているが、若年成人での発生例も散見される。若年者に発生した場合、関節破壊を来たすことは、機能的予後の観点からも大きな問題となる。そこで、若年成人に発生したSIFに対して、関節温存を目的として大腿骨頭前方回転骨切り術を行ったのでその成績を検討した。 【方法と結果】男性2例、女性2例、年齢は16-29(平均22)歳であった。全例、MRIおよび生検によりSIFの確定診断が得られた。骨折部は前上方に位置しており、後方に健常部を認めたため、大腿骨頭前方回転骨切り術を行った。 術後観察期間は1.8-6.8年(平均3.4年)で、日本整形外科学会Scoreは、術前平均67点が最終観察時に平均93点に改善していた。全例で術後健常部占拠率は40%以上得られ、圧潰進行や関節症性変化の進行は認めていない。 2.意義・重要性 若年成人で圧潰が進行した場合は、大腿骨頭回転骨切り術による圧潰進行の防止および関節破壊の防止は、有効な治療法の一つと考えられた。さらに、大腿骨頭回転骨切り術後は、骨折などの壊死部が骨硬化像を呈していた症例が71%(50/70関節)、壊死部が骨硬化像を呈さず通常の骨梁構造になっていたものが29%(20/70関節)であることもわかったおり、いずれの場合も骨折部や壊死部は治癒することが実証され、関節破壊防止に有効である。
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