2010 Fiscal Year Annual Research Report
オステオポンチンの機能解析から骨粗鬆症の予防・治療薬の開発へ
Project/Area Number |
21591951
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
樋口 安典 大分大学, 全学研究推進機構, 教授 (60040284)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片岡 晶志 大分大学, 医学部, 准教授 (40301379)
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Keywords | オステオポンチン / 骨粗鬆症 / トランスジェニックマウス / 応用動物 / 老化 |
Research Abstract |
我々が作製したオステオポンチン(OPN)を過剰発現するトランスジェニック(TG)マウスは早期から種々の老化現象を呈していた。そのマウスの解析結果、(1)OPN-TGは血中のNTx濃度が高く、(2)軟X線撮影では明確ではなかっだが、pQCTを用いた骨密度の測定で明らかな骨密度の低下を呈していた。ヒト閉経後骨粗鬆症患者において、血中OPNは上昇しており、このマウスの呈する骨粗鬆症はヒトと同じメカニズムと考えられる。 OPN-TGマウスの骨粗鬆症における解析と同時にリコンビナント蛋白の作製もスタートさせた。OPNは多彩な機能を有するので、骨吸収に関与しない部位と、関与する機能部位の確認のために数種類のリコンビナント蛋白を作成する計画を立て、一部は成功しているが、全てではない。そこで関連すると考えられる部位のペプチド合成を行った。in vitroで破骨細胞を培養し、ペプチドを添加することで、それらが破骨細胞活性にどのように関与するかを検討している。RGDS配列のペプチドが破骨細胞の増加抑制を示すようだが、その確認を急いでいる。また、このTGマウスの加齢による変化を、CT画像解析および組織化学的解析で明らかにしようとしている。 現在、骨粗鬆症に対してはビスホスフォネートをはじめ多くの薬剤が使用されているが、今後の高齢化社会を考慮すれば、この領域における研究開発あるいは薬剤開発にこのようなモデルマウスは必須である。
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