2011 Fiscal Year Annual Research Report
オステオポンチンの機能解析から骨粗鬆症の予防・治療薬の開発へ
Project/Area Number |
21591951
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
樋口 安典 大分大学, 全学研究推進機構, 教授 (60040284)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片岡 晶志 大分大学, 医学部, 准教授 (40301379)
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Keywords | オステオポンチン / 骨粗鬆症 / トランスジェニックマウス / 応用動物 / 老化 |
Research Abstract |
我々が作製したオステオポンチン(OPN)を過剰発現するトランスジェニック(TG)マウスは早期から種々の老化現象を呈していた。その9ヶ月齢マウスの解析結果、(1)OPN-TGは血中のNTx濃度が高く、(2)軟X線撮影では明確ではなかったが、pQCTを用いた骨密度の測定で明らかな骨密度の低下を呈していた。ヒト閉経後骨粗鬆症患者において、血中OPNは上昇しており、このマウスの呈する骨粗鬆症はヒトと同じメカニズムと考えられる。 OPN-TGマウスの骨粗鬆症発症時期を明らかにするため6ヶ月齢マウスの詳細な解析を行ったが、6ヶ月齢マウスでは有意な差異が認められず、確認の意味も含めて再度9ヶ月齢マウスの詳細な解析を行った。その結果、(1)単位骨量は同じ、(2)骨梁数は同じ、(3)骨梁幅は2倍、(4)骨梁間隙は1.5倍;1.類骨数は3倍、2.類骨面も3倍、3.類骨の厚さ同じ、4.骨芽細胞面同じ;(ア)吸収面同じ、(イ)破骨細胞骨数3倍、(ウ)破骨細胞面同じ;A)石灰化速度同じ、B)石灰化面3倍、C)骨形成率同じ、D)2重標識面4倍、E)1重標識面同じという結果が得られた。すなわち、破骨細胞の数は増加しており、類骨が増加していることを考えれば、OPN-破骨細胞-骨芽細胞-類骨形成のつながりがみえ、骨代謝が亢進していることがうかがえる。2重標識面が4倍に増加していることも、これを裏付けている。しかしながら単位骨量は同じである点が疑問である。一つの可能性として破骨細胞活性がおこっているが、吸収面が同じであること、破骨細胞面がおなじであることから、骨への接着に問題があり、骨吸収が起こりえないのではないかと考えられる。 一方、OPNは多彩な機能を有するので、in vitroで骨髄細胞を培養し、骨吸収に関与しない部位と、関与する機能部位のペプチドを添加することで、それらが破骨細胞活性にどのように関与するかを検討している。
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