2011 Fiscal Year Annual Research Report
インターロイキン32の炎症性関節炎における役割と治療標的分子としての可能性
Project/Area Number |
21591959
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
二木 康夫 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (10276298)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中山 政憲 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (70528249)
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Keywords | インターロイキン32 / TNF-α / 関節リウマチ / 炎症性関節炎 / Toll様受容体 |
Research Abstract |
マウスにおけるシグナル伝達経路の検索 マウスマクロファージのcell lineであるRaw264.7にヒトリコンビナントIL-32alpha(rhIL-32a)を添加する培養系を用いて実験を行った。Toll様受容体(TLR)の下流にあるNFκBならびにMAPK(ERK1/2、p38、JNK)の阻害剤を共投与し、その影響を見たところ、NFκBならびにERK1/2の阻害剤によってIL-32aのTNFα誘導効果が抑制された。またウェスタンブロット法を用いてこのIL-32aがこれら2分子をリン酸化することを確認した。これにより、IL-32aはNFκBならびにERK1/2を介してTNFαを誘導すると考えられた。 SiRNAの手技を用いた関連分子の検索 TLRシグナルに関連する分子をSiRNAの手法によりノックダウンし、rhIL-32aならびにLPSに対する反応性をみる実験を昨年度に引き続き行ってきたが、IL-32aはとくにTLR4下流の一部の分子を介する経路に関与すると考えられた。この経路を詳細に検討することにより、IL-32aはTNFαを誘導し炎症の増悪に寄与するだけでなく、それに引き続いて炎症を終息に向かわせる働きを持っている可能性が考えられた。 工L-32aの受容体分子の検討 これまでIL-32の受容体は明らかにされていないが、候補とされる分子は指摘されてきた。今回その一つに注目し、その阻害剤やノックダウンによりIL-32の作用が抑制されることを確認した。 これらの結果をまとめた論文をすでに投稿し、現在acceptを待っている状況である。
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