2010 Fiscal Year Annual Research Report
原発性骨粗鬆症に対する骨密度・骨質同時評価によるテーラーメード治療の確立
Project/Area Number |
21591962
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
齋藤 充 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (50301528)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西沢 哲郎 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (50439791)
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Keywords | 原発性骨粗鬆症 / 骨密度 / 骨質 / 動物モデル / テーラーメード治療 |
Research Abstract |
これまでにヒト骨粗鬆症では,骨密度非依存性に骨折することが明らかとなり,骨密度以外の骨強度因子として骨質の重要性が指摘されている.我々は、ヒトと同様の骨質異常であるコラーゲンの架橋異常が誘導され、かつ骨密度の低下を伴わずに骨強度が低下する、すなわち、血中ホモシスティン高値を来す動物モデル(ラット,家兎)を確立した。さらに、同モデルに卵巣摘出を加えることにより「低骨密度+骨質劣化型」の骨粗鬆症モデルが誘導できることも明らかにした。そこで、本研究の目的は、ヒトに近い骨代謝動態(リモデリング骨)を示す家兎のヒト型骨質劣化モデルを用いて、テーラーメード治療の確立(薬剤の使い分け)を行うことにある。また、骨質評価マーカーとして確立した「血中ホモシスティン値」「血中および尿中悪玉架橋ペントシジン値」が、骨質改善の評価マーカーとしても有用であるかを検証する。 成熟New Zealand白色家兎に卵巣摘出(OVX)或いはSham手術を施行し、それぞれ通常食群と1%メチオニン混餌群に分け、6ヵ月間飼育した後に、血中Hcys濃度、骨代謝マーカー、骨密度、骨強度、コラーゲン架橋(生理的架橋:未熟型,成熟型,非生理的架橋:老化型,AGEs架橋,ペントシジン)分析を行った。 その結果、混餌投与群の血中Hcys濃度は、通常食群に比べて有意に高値を示し、我々が報告したヒト骨粗鬆症に類似した架橋異常が誘導されていた。さらに混餌群にOVXを加えると、架橋異常はさらに増悪した。また同モデルでは、骨密度の低下を伴わない骨強度の低下を生じた。 高Hcys血症に伴う骨質低下モデルを初めて確立し、Hcysがコラーゲンの架橋異常を惹起し、骨密度とは独立した機序で骨脆弱化をもたらすことを明らかにした。
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Research Products
(16 results)