2011 Fiscal Year Annual Research Report
酸化ストレスの観点からステロイド誘発骨壊死の機序解明と予防法の開発
Project/Area Number |
21591963
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
市堰 徹 金沢医科大学, 医学部, 講師 (30307631)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上田 善道 金沢医科大学, 医学部, 教授 (50271375)
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Keywords | 酸化ストレス / ステロイド性骨壊死 / ビタミンE / 酸化傷害 / 酸化誘発 / 骨内虚血 |
Research Abstract |
我々は、ステロイド性骨壊死の発生と生体内における酸化ストレスとの関係を以下の項目について検討してきた。本年度の研究内容、結果は以下のとおりである。 1.酸化ストレスと骨壊死の関係を詳細に調査するためのモデルとして、酸化ストレス単独誘発によるラットにおけるモデル作成した。腹腔内にブチオニンスルフォキシミン(BSO)を投与することで、生体内の還元酵素であるグルタチオン合成を約70%阻害したところ、骨壊死は酸化誘発から5日で確認でき、7日から14日で約30%~40%の発生を認めた。ブチオニンスルフォキシミン(BSO)の投与量を変更し、一過性の酸化ストレスを強く誘発しても壊死発生率は変化なかった。このことから骨壊死は一過性の酸化誘発である一定の酸化が問題になることが示された。 2.ブチオニンスルフォキシミン(BSO)ラット骨壊死モデルでの骨内における虚血の状態と虚血に陥る時期を確認するために、HIF-1の発現を免疫組織化学的およびWestern blotにて検討した。結果は、酸化誘発からすでに6時間から12時間以内に骨内における虚血が発生している可能性が示唆された。すなわち、この時期に壊死に陥る原因があると考えられた。また、この虚血の反応も一過性であり1日から3日で徐々に改善していくことが示された。この反応は、骨内だけではなく肝臓および血管でも同様であることが示唆された。 以上、実施した研究の内容を報告する。
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Research Products
(10 results)