2011 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子改変動物を用いた外傷および関節炎における疼痛・ストレス反応の分子基盤の解明
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21591964
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
大西 英生 産業医科大学, 医学部, 講師 (20279342)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上田 陽一 産業医科大学, 医学部, 教授 (10232745)
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Keywords | 疼痛ストレス / 遺伝子改変動物 / 前初期遺伝子 / TRPチャネル / 視床下部室傍核 / 脊髄後角 |
Research Abstract |
本年度は、痛み・酸・温度センサーとして注目されている受容体活性型Ca2+チャネルのtransient receptor potential V1(TRPV1)ならびにTRPV4ノックアウトマウスを用いて急性疼痛モデルにおける中枢神経系の反応(視床下部-下垂体-副腎(HPA)軸の反応)と末梢(炎症部位)での疼痛受容反応を生体防御反応の積算時間、ならびにニューロンの活動性の指標として汎用されるc-fos遺伝子産物であるFosタンパクの発現を免疫組織化学的染色法により定量評価した。今回得られた結果は以下の通りである。 急性疼痛ストレスモデルとして0.5%ホルマリン液を野生型マウス、TRPv1ノックアウトマウス、TRPV4ノックアウトマウスの片側足底に皮下注射すると、(1)ホルマリンによる直接刺激とされる第1相(注射0分~10分)では野生型マウスが有意にTRPV1やTRPV4ノックアウトマウスよりも生体防御行動を多く認めた。炎症を介した二次性の疼痛とされる第2相(注射10分~60分)ではTRPV1ノックアウトマウスのみ生体防御行動を野生型よりも多く認めた。(2)脊髄後角第I、II層におけるFosタンパクの発現は、注射側が非注射側よりも増加し、かつ野生型マウスがTRPV1ならびにTRPV4ノックアウトマウスと比較して有意に増加した。一方、視床下部室傍核におけるFosタンパクの発現は、TRPV1ノックアウトマウスが野生型マウスよりも有意に増加した。この結果は、上記(1)における第2相の生体防御行動をおおむね反映するものであった。 以上より、ホルマリン注射の直接刺激による疼痛受容にはTRPV1とTRPV4が関与し、炎症を介した二次的な疼痛受容にはTRPV1が関与していると考えられた。
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[Journal Article] Central diabetes insipidus associated with impaired renal aquaporin-1 expression in mice lacking liver X receptor β2012
Author(s)
Gabbi C, Kong X, Suzuki H, Kim HJ, Gao M, Jia X, Ohnishi H, Ueta Y, Warner M, Guan Y, Gustafsson JA
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Journal Title
Proc Natl Acad Sci U S A
Volume: 109(8)
Pages: 3030-3034
DOI
Peer Reviewed
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