2010 Fiscal Year Annual Research Report
吸入麻酔薬による術後認知機能低下の機序に関する研究
Project/Area Number |
21591968
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
堀口 剛 秋田大学, 医学部, 准教授 (70221570)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
真崎 容子 秋田大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (30125744)
川村 公一 秋田大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (00091801)
安部 恭子 秋田大学, 医学部, 助教 (30311575)
西川 俊昭 秋田大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (50156048)
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Keywords | 吸入麻酔薬 / セボフルラン / 脳 / 血液 / ガスクロマトグラフ / 内部標準法 |
Research Abstract |
1、FGP(fluorescent granular perithelial)細胞の関与について FGP細胞は生後8-14日で、脳内の血管周囲細胞からマクロファージ系の細胞へと分化する。セボフルラン麻酔後、セボフルランの脳内残存にFGP細胞が重要な役割を果たしていると仮定すると、成年ラットと新生ラットではセボフルランの残存期間が異なる可能性がある。そこで、新生ラットと成年ラットにセボフルラン麻酔を2時間行った後、2日目に摘出された脳からセボフルランの検出を試みた。その結果、セボフルランは新生ラットでは検出されなかったが、成年ラソトでは検出された。この結果は、セボフルランの脳内長期間残存にFGP細胞が重要な役割を果たしている可能性を示唆するものである。 2、ヒトでのセボフルラン麻酔後の血中セボフルラン濃度について ラットでは、セボフルラン麻酔後7日目でも血液内、脳内にセボフルランが残存し、脳内には血液内の約10倍のセボフルランが存在することを昨年度報告した。今回、ヒトでセボフルラン麻酔後2日目、7日目の血中セボフルラン濃度を測定した。その結果セボフルラン麻酔後2日目、7日目ともセボフルランは血液中に存在した。ラットの実験結果より考えると、ヒトでも血液中より脳内にははるかに高濃度のセボフルランが残存していることが予想され、このことが術後認知機能低下に関与している可能性がある
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