2011 Fiscal Year Annual Research Report
吸入麻酔薬による術後認知機能低下の機序に関する研究
Project/Area Number |
21591968
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
堀口 剛 秋田大学, 医学部, 准教授 (70221570)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
真崎 容子 秋田大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (30125744)
川村 公一 秋田大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (00091801)
安部 恭子 秋田大学, 医学部, 助教 (30311575)
西川 俊昭 秋田大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (50156048)
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Keywords | 吸入麻酔薬 / セボフルラン / 術後認知機能障害 / プロポフォール / イソフルラン |
Research Abstract |
1、セボフルラン麻酔後とプロポフォール麻酔後の脳内、血液内の濃度の相違について ラットにおいて空間認知機能は、吸入麻酔後には低下するがプロポフォール麻酔後には低下しないと報告されている。一方、セボフルランは7日以上、脳内および血液内に残存することを我々は報告してきた。もし、残存麻酔薬が術後認知機能低下に関与しているとすると、プロポフォールはセボフルランよりも速く脳から消失するはずである。そこで、プロポフォール麻酔後の脳内および血液内のプロポフォール濃度を測定した。その結果、プロポフォールは24時間後には脳内および血液内に存在したが、48時間後には脳内・血液内ともに消失していた。 2、セボフルラン麻酔後とイソフルラン麻酔後の脳内、血液内の濃度の相違について イソフルラン麻酔後の認知機能低下の機序に関する報告は多いが、セボフルラン麻酔後についての報告はほとんどない。そこでセボフルラン麻酔後とイソフルラン麻酔後の脳内および血液内の濃度を比較するためイソフルラン麻酔後の濃度を測定した。その結果、イソフルラン麻酔5分後のイソフルラン濃度はセボフルラン麻酔5分後のセボフルラン濃度の1.8倍(血液)、2.3倍(脳)であった。一方、セボフルランは7日以上脳内および血液内に残存していたのに対し、イソフルランは2日後には脳内・血液内ともに消失していた。この結果はセボフルランとイソフルランでは認知機能低下の機序が異なる可能性を示唆しているものと考えられる。
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Research Products
(4 results)