2010 Fiscal Year Annual Research Report
新しい麻酔薬や循環作動薬の骨格筋に対する影響の検討
Project/Area Number |
21591973
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
右田 貴子 広島大学, 病院, 助教 (90403526)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河本 昌志 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (40127642)
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Keywords | 悪性高熱症 / 骨格筋細胞 / カルシウム / CICR / RYR1 |
Research Abstract |
当教室は悪性高熱症の素因検査であるCa-induced Ca release (CICR)テストを施行している.検査の余剰筋肉を筋管細胞になるまで培養し,カルシウム指示薬のFura-2AMを用いて、薬剤に対する骨格筋細胞内Ca濃度の測定を行っている. 悪性高熱症の病因であるカルシウム代謝異常は、従来は筋小胞体(SR)が主体で、誘発薬剤がSRからのCa流出を促進させることにより、細胞内Ca濃度が上昇し、一連の症状を生じるとされていた。近年、細胞外からのCa流入(SOCE:Store-operated Calcium Entry)の関与が注目されている.骨格筋のような興奮細胞ではSOCEは関与が低いと考えられていたが、誘発後に細胞内Ca濃度が高濃度で持続することにSRからのCa流出後にSOCEが作用していると推測されている。今回、吸入麻酔薬セボフルランのSOCEへの影響を培養細胞を用いて測定した。セボフルラン投与により、悪性高熱症素因者の骨格筋は健常者の骨格筋に比して、細胞内Ca濃度上昇を長く持続させた。骨格筋の細胞内Ca濃度上昇の持続にはSOCEが関与していることを示唆する結果を得た。研究結果については2011年6月に国際学会で発表予定である. 現在日本では、悪性高熱症の素因検査は臨床診断に加えて、CICRテストを行っているが、筋肉生検が必要であるため、当教室では侵襲度が低い検査法を検討している。少量の骨格筋を培養し、リアノジン受容体(RYR1)作動薬であるカフェイン・ハロタン・クレゾールに対する反応を測定し、診断のためのカットオフ値を決定した。この検査法では、RYR1のみならず、DHPRの異常も検出可能である。研究結果は論文報告した。
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Research Products
(3 results)