2010 Fiscal Year Annual Research Report
全身性炎症反応時におけるオートファジーの役割の検討とその制御法の開発について
Project/Area Number |
21591977
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
萩原 聡 大分大学, 医学部, 講師 (50527661)
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Keywords | オートファジー / 敗血症 / エンドトキシン / 静脈栄養 / 炎症 |
Research Abstract |
臓器障害とオートファジーの関与が言われており、昨年度は、LPS投与全身性炎症モデルにおいてオートファジーの関与があることを明らかにした。そこで、本年度はその制御法の一つとしてグルコース投与による影響を検討した。 Wistar系雄性ラット(体重250-300g)に、エンドトキシン(LPS 10mg/kg)を静注することで全身性炎症モデルを作成。次の各群に対して検討を行った。 a)正常コントロール群 b)LPS+生食持続投与群 c)LPS+5%グルコース持続投与群 エンドトキシン投与後の経時的な血清中サイトカイン濃度およびHMGB1濃度の検討並びに12時間後にセボフルレン吸入麻酔下で、犠死させ肝組織を摘出。各群間におけるラットの肝組織標本、肝組織中HMGB1濃度を検討した。LPS投与により、血清中の炎症性サイトカインやHMGB1といった蛋白の有意な上昇を認めた。さらに、LPS投与12時間後に肝小葉構造の破壊や炎症細胞の浸潤などを認め、この際の、肝臓におけるオートファジーの発現について検討すると、電子顕微鏡写真にて正常コントロール群に比べて、増加していた。一方、5%グルコース持続投与により血清中サイトカイン濃度およびHMGB1濃度の低下やオートファジーの減少をとらえることが出来た。 これらの事実より、炎症反応時に生じる肝障害の原因のひとつに、オートファジーが関与しており、エネルギー供与がこれらの病態改善に役立つ可能性が示唆された。
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