2011 Fiscal Year Annual Research Report
全身性炎症反応時におけるオートファジーの役割の検討とその制御法の開発について
Project/Area Number |
21591977
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
萩原 聡 大分大学, 医学部, 講師 (50527661)
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Keywords | オートファジー / 敗血症 / エンドトキシン / 静脈栄養 / 炎症 |
Research Abstract |
昨年度は、LPS投与全身性炎症モデルにおいてオートファジーの新たな制御方法として糖の負荷があることを明らかにした。そこで、本年度は更なる制御方法の開発として、アミノ酸投与による影響を検討した。 昨年同様にWistar系雄性ラット(体重250-300g)を使用した。エンドトキシン(LPS 10mg/kg)を静注することで全身性炎症モデルを作成。次の各群に対して検討を行った。 a)正常コントロール群 b)LPS+生食持続投与群 c)LPS+アミノ酸持続投与群 昨年と同様に、エンドトキシン投与後の経時的な血清中サイトカイン濃度およびHMGB1濃度の検討並びに12時間後にセボフルレン吸入麻酔下で、犠死させ肝組織を摘出。各群間におけるラットの肝組織標本、肝組織中HMGB1濃度を検討した。更に、NF-kBを中心とした炎症反応に関連した核内タンパク質の発現量変化についても検討を加えた。LPS投与により、血清中の炎症性サイトカインやHMGB1といった蛋白の有意な上昇を認め、NF-kBを中心とした炎症関連の核内タンパク質のリン酸化が生じるが、アミノ酸の持続投与によりこれらの炎症反応が抑制された。さらに、LPS投与12時間後に肝小葉構造の破壊や炎症細胞の浸潤などの肝組織障害を認めたが、アミノ酸投与群では肝障害の程度が軽減されていた。この時の、肝臓におけるオートファジーの発現について検討すると、電子顕微鏡写真にてLPS投与群では、正常コントロール群に比べて、増加していたのに対して、アミノ酸持続投与によりオートファジーの減少をとらえることが出来た。 これらの事実より、炎症反応時に生じる肝障害の原因のひとつに、オートファジーが関与しており、アミノ酸のようなエネルギー供与がこれらの病態改善に役立つ可能性が示唆された。
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Research Products
(1 results)