2010 Fiscal Year Annual Research Report
麻酔薬のオレキシン細胞活動に及ぼす影響-オレキシン系は麻酔薬の標的か-
Project/Area Number |
21591979
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
白阪 哲朗 宮崎大学, 医学部, 准教授 (00274788)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
與那覇 哲 宮崎大学, 医学部, 助教 (70468023)
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Keywords | 脳・神経 / 薬理学 / 生理学 / 生理活性 / 麻酔 / オレキシン |
Research Abstract |
ラットが麻酔から覚醒した意識下自由行動下の状態でORX細胞の単一活動電位を記録した。脳弓周囲視床下部(Perifornical hypothalamus ; PFH)および外側視床下部(Lateral hypothalamus ; LH)のORX細胞活動を記録した。ORX細胞の特徴は活動電位の幅が広く、活動電位の後半にpositive deflectionを有し、周辺細胞と明らかに異なる特徴を有する。自由行動下で記録するとORX細胞は安静時には活動性は低く、刺激すると一過性に活動性が増した。脳波との関連を調べると、徐波睡眠期にはsilentでREM睡眠期はtonicとなり時にburst dischargeを示した。このORX細胞の発火頻度の変化は脳波の変化と相関した。ORX細胞の活動性が減少すると、筋電図上の筋緊張は減少し、脳波は徐波化しδ波の発現が認められるようになった。ORX細胞の発火頻度の変化は、脳波や筋電図変化より早かった。ORX細胞の発火頻度と筋電図変化に相関関係は認めなかった。同じORX細胞でもPFHとLH領域で必ずしも反応が同一ではなかった。意識下自由行動状態のラットを専用の密閉ケージに入れて吸入麻酔薬のセボフルラン(2-5%)に暴露するとPFHあるいはLHのORX細胞の自発発火頻度は、有意に抑制された(25±12%)。濃度依存性は認められなかった。LHよりもPFHの細胞がより強く抑制(発火頻度:35±17%)された。静脈麻酔薬であるプロポフォール(200-1000μg/kg/min)を投与するとLHのORX細胞は影響を受けなかった。PFHの細胞活動は抑制された。この反応に濃度依存性は認めなかった。
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Research Products
(2 results)