2009 Fiscal Year Annual Research Report
麻酔薬の幼弱脳神経毒性に対するエリスロポイエチンの予防効果
Project/Area Number |
21591980
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
越後 憲之 Yokohama City University, 附属病院, 准教授 (00363797)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安藤 富男 横浜市立大学, 医学研究科, 客員教員 (00193110)
紙谷 義孝 横浜市立大学, 医学部, 助教 (90381491)
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Keywords | エリスロポイエチン / 神経保護 / 新生児 / 麻酔薬 / 神経細胞死 |
Research Abstract |
1.麻酔暴露システム 麻酔暴露用のボックスに日齢7日の新生児ラットを収納し、室温26度とし、ボックスを恒温槽に入れる。水温を約37.5度に保ち、亜酸化窒素、イソフルレンで麻酔を6時間行う。麻酔開始1時間、2時間、3時間、6時間の時点で直腸温を測定した。非麻酔群では窒素と酸素の混合ガスを麻酔群と同じ流量で投与して、同じ時間間隔で直腸温を測定した。ボックス内底面に錘用の石材を入れた場合は、直腸温が35度台に低下した。石材を除き、紙製シートのみとする条件では、麻酔群、非麻酔群ともに直腸温は、36.5から37.5度に終始保たれた。 2.アポトーシスの評価 亜酸化窒素1l/min、酸素0.5l/min、イソフルレン濃度0.75%として6時間麻酔後、ペントバルビタール腹腔内注射により深麻酔下に右房切開し脱血後、経左心室的にパラフォルムアルデヒドを還流した。断頭し、脳を摘出、後固定の後、retrosplenic cortex, hippocampus, dorsolateral thalamic nucleusを含む部位でcryostatにて30μm厚の前頭断スライスを作成した。Tune1染色を行い、陽性細胞数を測定した。また、一部の動物では、経左心室的にヘパリン加生理食塩水を還流し、脳を摘出し、4度に冷却した溶液内で上記の大脳皮質部分および海馬を切離し、homogenizeした。蛋白濃度を測定した後、ウェスタンブロット法によりcleaved caspase3, 9の測定を行った。麻酔群では非麻酔群と比較して、上記の3部位のTune1陽性細胞数が増加し、cleaved caspase3および9の発現量が増加した。これにより麻酔薬暴露による新生児脳に対する神経毒性を評価する実験系が確立された。 3.エリスロポエチン(Epo)投与 研究の独自性を高めるため、エリスロポイエチンは経鼻腔的に投与することとした。個体あたり200単位、1000単位を麻酔開始直前に投与し、脳スライスと脳homogenizeの試料を作成し、上記の測定を待っている状態である
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