2010 Fiscal Year Annual Research Report
麻酔薬の幼弱脳神経毒性に対するエリスロポイエチンの予防効果
Project/Area Number |
21591980
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
越後 憲之 横浜市立大学, 附属病院, 准教授 (00363797)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安藤 富男 横浜市立大学, 医学研究科, 客員教授 (00193110)
紙谷 義孝 横浜市立大学, 医学部, 助教 (90381491)
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Keywords | エリスロポイエチン / 神経保護 / 新生児 / 麻酔薬 / 神経細胞死 |
Research Abstract |
7日齢ラットにおいて個体あたり10、50、250単位のEpoを麻酔開始直前鼻腔内に投与し、6時間の亜酸化窒素66%、イソフルレン0.75%の吸入麻酔暴露後に脳を摘出した。大脳皮質と海馬組織homegenateを作成し、ウェスタンブロット法によりcleaved caspase 3の発現量を検討し、アポトーシスを評価した。この結果、麻酔暴露によってcleaved caspase 3発現は有意に増加したが、Epoによりこの発現は両部位いづれでも抑制されなかった。低、中等量のEpoでは有意に変化しなかったが、大量投与群では大脳皮質での発現が有意に増加した。この結果を受け、鼻腔内投与による呼吸障害の可能性を調べるため、鼻腔内Epoを投与後に麻酔に暴露した状態で経皮的な酸素飽和度を経時的に測定したが、酸素飽和度の低下は認めなかった。 次に、Epoの脳組織への移行の程度を検討した。上記投与量でhuman recombinant Epo(hrEpo)を鼻腔内投与し、6時間後に大脳皮質組織を摘出し、hrEpoに対する抗体を用いELIZA法により脳組織内のhrEpo発現量を測定した。この方法ではヒト型Epoを特異的に検出するため、ラットの内因性Epoは測定されないと考えられた。全てのEpo投与量においてEpo投与後もhrEpoはほとんど検出限界以下だった。個体あたり50,200単位を腹腔内投与したところ、大脳皮質hrEpoは用量依存性に検出された。したがって、鼻腔内投与Epoは新生児ラットにおいては、十分吸収されず脳へほとんど移行しないと考えられた。腹腔内投与に切り替えてアポトーシスへの効果を検討中である。
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Research Products
(2 results)