2011 Fiscal Year Annual Research Report
麻酔薬の幼弱脳神経毒性に対するエリスロポイエチンの予防効果
Project/Area Number |
21591980
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
越後 憲之 横浜市立大学, 医学研究科, 客員准教授 (00363797)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安藤 富男 横浜市立大学, 医学研究科, 客員教授 (00193110)
紙谷 義孝 横浜市立大学, 医学部, 助教 (90381491)
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Keywords | エリスロポイエチン / 神経保護 / 新生児 / 麻酔薬 / 神経毒性 / 神経細胞死 |
Research Abstract |
7日齢ラットにおいて個体あたり10、50、250単位のerythropoietin(Epo)を麻酔開始30分前に腹腔内に投与し、6時間の亜酸化窒素66%、イソフルレン0.75%の吸入麻酔暴露直後に脳を摘出した。大脳皮質と海馬組織homegenateを作成し、ウェスタンブロット法によりcleaved caspase 3の発現量を検討し、アポトーシスを評価した。この結果、麻酔暴露によってcleaved caspase 3発現は有意に増加したが、Epoによりこの発現は両部位いずれでも抑制されなかった。海馬におけるCaspase3/GAPDH比(以下、Cas3/G比)をmean±SDで示すと、腹腔内生食投与群では、麻酔群1.30±0.32に対して非麻酔群0.26±0.04(P<0.05)と麻酔によるcleaved caspase 3の発現量増加は明らかであった。腹腔内Epo投与・麻酔群では、生食投与群1.30±0.32に対して、Epo低用量群1.29±0.16、Epo中等量群1.25±0.27、Epo高用量群1.78±0.16(P>0.05)であり、有意な変化を認めなかった。 Epoの抗アポトーシス作用に関して、insult直後は効果を認めないが、翌日(18-24時間後)には有効であったという報告があり、同様な実験群において、麻酔暴露後約20時間経過させた後に脳を摘出して神経細胞死を再度検討した。20時間後の海馬homogenateでは、cleaved caspase 3発現量の増加は、非麻酔群と比べて有意でなかった。さらに、摘出脳組織から脳スライスを作成し、TUNEL染色を行い、この方法でもアポトーシスを評価中である。
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