2009 Fiscal Year Annual Research Report
メタボリック症候群でのヒト血管ストレス機序解明と遺伝子治療および麻酔薬作用の研究
Project/Area Number |
21591985
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
伊良波 浩 Wakayama Medical University, 医学部, 臨床教授 (30193692)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木下 浩之 和歌山県立医科大学, 医学部, 准教授 (70291490)
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Keywords | ヒト血管 / 平滑筋 / ATP感受性カリウムチャネル / 高血糖 |
Research Abstract |
胃癌手術患者を対象とし当該患者より書面で研究参加の承諾をえてから、術前の麻酔科診察時に諸検査を施行しメタボリック症候群の有無を判定した。本年度はメタボリック症候群のない患者を対象とした。手術患者より摘出された大網つきの胃標本を直ちにクレブス液に入れ9℃に冷却保存した。病理組織標本を確保したのち、残りの大網を摘出2時間以内に和歌山県立医科大学麻酔科学教室に9℃に冷却のまま搬送した。ただし、等尺性張力変化測定に関しては、日本赤十字社和歌山医療センター内で行った。外径0.8-1.2mmのヒト大網動脈を摘出後、長さ2.5mmのリング状標本とした。正常ブドウ糖群(5.5mmol/L)あるいは高濃度ブドウ糖群(25.5mmol/L)に60分間暴露した後、U46619(3×10^<-8> mol/L)で血管を収縮させ、ATP感受性カリウムチャネル開口薬レブクロマカリム(10^<-8>-10^<-5>mol/L)の用量反応曲線を得た。高濃度ブドウ糖暴露は、この開口薬による拡張反応を有意に抑制した。さらにこれら処置血管に対して、3mol/LのKC1で満たしたガラス電極をマイクロマニュピュレータで保持し観察チャンバーに入れた摘出血管に刺入し、血管平滑筋膜電位を測定した。等尺性張力変化測定の結果に一致し、高濃度ブドウ糖暴露血管ではレブクロマカリムによる過分極反応は有意に抑制された。現在、ヒト血管平滑筋内タンパク発現検討用の血管標本を集積している途中である。
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Research Products
(3 results)