2009 Fiscal Year Annual Research Report
麻酔薬の各種悪性腫瘍細胞に対するオートファージー誘導活性
Project/Area Number |
21591987
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Research Institution | Meikai University |
Principal Investigator |
長坂 浩 Meikai University, 歯学部, 教授 (10189110)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂上 宏 明海大学, 歯学部, 教授 (50138484)
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Keywords | オートファジー / アポトーシス / アドレナリン / がん細胞 |
Research Abstract |
今回は、5種類のアドレナリン作用薬:Epinephrine、Isoprenalin、Clonidine、Phenylephrine、Dexmedetomidineを用いることによって、3種のヒト口腔正常細胞(歯肉繊維芽細胞、歯髄細胞、歯根膜繊維芽細胞)、3種のヒト口腔扁平上皮癌細胞(HSC-2,HSC-3,HSC-4)、2種のヒト神経膠芽腫細胞(T98G,U87MG)、とヒト骨髄性白血病細胞(HL-60)に対しての傷害性と誘導される細胞死のタイプについて検討してみた。細胞は10%FBSを含むDMEM培地中で、5%CO2インキュベータ内において37℃で培養した。生細胞数はMTT法で測定した。50%細胞傷害濃度(CC50)は、用量依存曲線から求めた。腫瘍選択係数(TS)は、正常細胞に対するCC50の平均値を、癌細胞に対するCC50の平均値で割って求めた。DNAの断片化はDNAを抽出後、アガロースゲル電気泳動で検出した。カスパーゼ3の活性は、その基質の分解活性により定量した。結果5種類のアドレナリン作用薬の口腔扁平上皮癌細胞に対する傷害性の強さは、I>D>E>C、Pの順であった。腫瘍選択性(TS)については、I(3.09)>D(1.7)>E(1.02)>C、Pであった。次にTSの高かったIとDに関してDNAの断片化とカスパーゼ3の活性を測定した。IとDともにHL-60細胞には、ヌクレオソーム単位のDNAの断片化を誘導したが、HSC-2、HSC-4は誘導しなかった。またカスパーゼに関してもHL-60細胞においてはカスパーゼ3を活性化したが、HSC-2,HSC-4においてはIとDはともに活性化しなかった。結論:今回の実験で使用した薬の中で腫瘍選択性の高かったI,Dともに非アポトーシスを誘導することが示唆された。今後、オートファージが誘導されるかどうか検討していく予定である。
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Research Products
(4 results)