2010 Fiscal Year Annual Research Report
血管リモデリング形成における内因性プロスタノイドの役割解明
Project/Area Number |
21591993
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
高畑 治 旭川医科大学, 医学部, 准教授 (60179546)
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Keywords | 内因性プロスタノイド / 血管リモデリング / 血管平滑筋細胞 |
Research Abstract |
プロスタノイドの中で、PGE_2とPGI_2は炎症反応時にシクロオキシゲナーゼ(COX)-2を介して産生される。これまでの行った我々の研究ではプロスタノイド受容体のうちPGI_2の特異的受容体であるIP受容体を欠損したノックアウトマウスでは、頸動脈結紮モデルを用いた血管リモデリングの程度が増強することを見いだしている。このことは、内因性PGI_2が血管リモデリングにおいて重要な役割を担っていることを示している。しかしながら、COX-2を介して産生されるもう一つのプロスタノイドPGE_2の血管リモデリングでの役割については不明な点が多い。本研究では、頸動脈結紮モデルを用い、PGE_2受容体の一つであるEP_4欠損がin vivoの実験系における血管リモデリングの形成に影響するか否かを検討することを目的とした。 野生型マウスとEP_4受容体欠損マウスにおいて、ケタミン・キシラジンを用いて麻酔を施行し、左総頸動脈を内頸動脈と外頸動脈との分岐部近位において8.0ポリプロピレンにより完全結紮を行ったのちに閉創する。結紮後1週、2週ならびに4週の時点で再度同様の麻酔を施行し、開胸後に左心室からリン酸緩衝液ならびにパラホルムアルデヒド添加リン酸緩衝液を投与し灌流固定とした。結紮側と非結紮側である右総頸動脈をそれぞれ取り出し、パラフィン包埋し、結紮近位部から1mm以上の距離をあけて全長2mmにわたって5μmの厚さに薄切し血管断面標本を作製した。その後、ヘマトキシリン・エオジン染色を施行し、形態学的検討を行うことを本年度の研究目的とした。しかしながら、統計学的に有意な結果を得られるまでの個体数を検討するに至らず、平成23年度も継続して研究を行い、個体数増加を行う予定である。
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