2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21592007
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
藤野 裕士 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (50252672)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大田 典之 大阪大学, 医学部附属病院, 助教 (60379162)
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Keywords | 急性肺傷害 / 人工呼吸 / 肺保護戦略 / 自発呼吸 / 樹状細胞 / 炎症 |
Research Abstract |
1、急性肺傷害における肺保護的人工呼吸法を施行する際に自発呼吸を温存することの意義を、ウサギの人工呼吸による肺傷害モデルを用いて検討した。このことを検討するために以下のような実験群を作成して肺傷害の程度をガス交換、肺生理学的パラメータ、組織学的検索によって評価した。 (a)低一回換気量(LTV:6ml/kg)+弱い自発呼吸SBweak : LTV+SBweak (b)低一回換気量(LTV:6ml/kg)+強い自発呼吸SBstrong : LTV+SBstrong (c)中一回換気量(MTV:7-9ml/kg)+弱い自発呼吸SBweak : MTV+SBweak (b)中一回換気量(MTV:7-9ml/kg)+強い自発呼吸SBstrong : MTV+SBstrong 全群ともPEEP8cmmH20でPIPは30cmH20未満とした。 (a)のLTV+SBweakでは血液ガス、肺コンプライアンス、肺の含気が最も良好であった。一方で(d)のMTV+SBstrongでは無気肺が広く、著しい好中球浸潤を示した。Transpulmonary pressureは(d)群以外では30cmH20以下に保たれたが、(d)群では33cmH20を超える値を示した。 以上の結果から、自発呼吸を温存している時には、一回換気量と最高気道内圧によってのみ規定する肺保護的な人工呼吸戦略をとっていても、実際には高いTranspulmonary pressureによって肺傷害を悪化させている可能性があることが示された。 2、脂肪細胞由来の間葉系幹細胞による肺傷害の軽減に変えて、骨髄由来め樹状細胞を用いた炎症反応制御を試みることに方針変更した。その前段階として臨床に使用される鎮静薬で樹状細胞機能を制御することが可能かを追求した。本年度はプロポフォールの樹状細胞に対する作用を追求した。プロポフォールは試験管内で樹状細胞機能を促進した。さらにプロポフォールで前処置した骨髄由来の樹状細胞を用いてマウスを免疫すると樹状細胞によって惹起されるTh1型の免疫応答が増強されることを示した
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Research Products
(5 results)