Research Project
周術期では、手術手技による侵襲の他に、手術に必須である麻酔薬、特に全身麻酔で使用される吸入麻酔薬が直接的に自然免疫、獲得免疫を抑制することが知られている。これまでに、おもに免疫への影響として吸入麻酔薬は静脈麻酔薬に比べ、免疫抑制作用が強いことや(Inada et al. Anesthesia,2004)、オピオイドではモルヒネが、免疫抑制作用が強いことが明らかにされてきた(Franchi et al. Brain Behav Immun.,2007)。本研究のプライマリ エンドポイントは、免疫不活化状態にある担癌患者において侵襲と発癌、および侵襲と癌進展との関係をマイクロRNAの影響を中心に、明らかにすることにある。現在われわれは免疫担当細胞におけるマイクロRNAの機能に関して詳細な検討を行っている。一連の研究の中で、miR-1XXは細胞免疫に重要な役割を果たすTGFβ経路の重要な構成因子であるSMAD2を抑制することを同定した。細胞にmiR-1XXを強制発現することで、SMAD2抑制によるTGFβ経路の阻害が誘導され、TGFβによるマクロファージの遊走促進やVEGFを介した血管新生、あるいは白血球と血管内皮の接着に関与するICAM-1の発現を変化させる可能性があり、現在研究を進めている。われわれは大腸癌手術患者の癌部および非癌部、それぞれ300例以上の臨床サンプルを有する。また、Laser microdissectionにて癌細胞を採取しえた症例は108例あり、抽出したgenomic DNAおよびtotal RNAからCGHアレイおよび発現アレイを施行した。このデータからマイクロRNAとその複数の標的候補遺伝子の発現状態を確認し、パスウェイ解析を行うことで、今回着目したマイクロRNAの重要な標的遺伝子の同定、さらには生体内での機能予測が可能になる。手術侵襲・全身麻酔による免疫抑制が、癌進展に関わる機序をマイクロRNAによる制御を中心にさらに探索していきたい。
All 2011 2010
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