2010 Fiscal Year Annual Research Report
ニコチンによる術後鎮痛-脊髄後角インビボパッチクランプ法を用いた検討
Project/Area Number |
21592022
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
森 隆 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 講師 (00336786)
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Keywords | ニコチン / パッチクランプ法 / 術後痛 / 脊髄後角 / in vivo |
Research Abstract |
本研究は、ラット術後痛モデルでin vivoパッチクランプ法を行い、急性痛に対するニコチンの鎮痛機序の解明が目的である。平成21年度はin vivoパッチクランプ記録のためのセットアップを立ち上げ、ウレタン麻酔下のラットでin vivoパッチクランプ法による脊髄後角第II層の神経細胞の興奮性シナプス電流(EPSCs)、抑制性シナプス電流(IPSCs)の記録に成功した。平成22年度の研究実施計画は、1)in vivoパッチクランプ記録の安定化、2)術後痛モデルの作製とシナプス応答の評価、3)ニコチン脊髄灌流のEPSCs、IPSCsに対する作用を調べることであった。2) 3)の評価のためには安定した神経活動の記録が必要条件となるが、平成22年度は記録の安定性を高めることに予定外に苦慮した。実験台、動物固定装置、灌流システムの改良を行い、新たにマイクロスコープとモニターの設置し、記録精度の向上に取り組んだ。さらに短時間、低侵襲手技によるin vivo標本作製により、電極刺入10回に1~3回のホールセル状態、1回に20~40分の記録ができるようになった。現在、2)の急性痛モデル作成、急性痛および機械刺激に対する神経細胞応答を調べており、過去の報告のように、活動電位の発生様式にいくつかのタイプが存在することを確認した。その評価、そしてニコチン脊髄表面灌流の神経応答への影響については次年度に持ち越すことになった。
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