2009 Fiscal Year Annual Research Report
進行性前立腺癌の予後予測ならびに治療における新規標的分子の探索的研究
Project/Area Number |
21592029
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
土谷 順彦 Akita University, 大学院・医学系研究科, 准教授 (70282176)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
羽渕 友則 秋田大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (00293861)
堀川 洋平 秋田大学, 医学部, 講師 (40361232)
成田 伸太郎 秋田大学, 医学部, 講師 (40396552)
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Keywords | 前立腺癌 / IGF-I / IGF-I受容体 / 遺伝子多型 / 免疫染色 |
Research Abstract |
進行性前立腺癌のアンドロゲン非依存性増殖を引き起こすメカニズムの一つにアンドロゲン受容体(AR)とInsulin-like growth factor-I(IGF-I)、Interleukin-6(IL-6)などの増殖因子とのクロストークの存在が示唆されている。秋田大学において、初診時に骨転移を有する前立腺癌患者213例を対象とした。患者末梢血から得られたDNAを用いて、インスリン様成長因子軸に存在する一連の分子群である、human growth factor-1(hGH1)(T1663A)、hGHR(I545L),IGF-I(rs12423791)、IGF-IR(G3174A),IL-6(-636G/C)、IL-6R(Asp358Ala)の6種類の遺伝子多型を解析し、予後との関連性を検討した。その結果、IGF-Irs12423791と癌特異的生存率ならびに全生存率との間に有意な関連が認められた(P=0.007、0.014)。rs12423791GCを有する患者は有意に生存期間が短かった(癌特異的生存中央値:5.7vs3.8年、全生存中央値:4.8vs3.6年)。また、IGF-I promoter多型の(CA)19を有する患者の生存期間は有意に短かった(癌特異的生存率:P=0.020、中央値5.7vs4.年、全生存率:P=0.021、中央値5.1vs3.8年。ハプロタイプblock 3に存在するtag SNPであるrs7136446とrs6220のハプロタイプを推定し、予後との関連を解析したところ、T-Cハプロタイプと癌特異的生存率ならびに全生存率との間に有意な関連を認めた(P=0.0002、0.002)。T-Cハプロタイプを有する患者の生存期間は有意に短かった(癌特異的生存中央値:7.5vs4.0年、全生存中央値:6.0vs3.6年)。IGF-I遺伝子多型は、進行性前立腺癌の予後予測マーカーとして臨床応用される可能性が示唆された。
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Research Products
(8 results)