2011 Fiscal Year Annual Research Report
進行性前立腺癌の予後予測ならびに治療における新規標的分子の探索的研究
Project/Area Number |
21592029
|
Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
土谷 順彦 秋田大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (70282176)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
羽渕 友則 秋田大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (00293861)
堀川 洋平 秋田大学, 医学部, 講師 (40361232)
成田 伸太郎 秋田大学, 医学部, 講師 (40396552)
|
Keywords | 前立腺癌 / 予後予測 / 遺伝子多型 / SNPアレイ / 治療標的分子 |
Research Abstract |
進行性前立腺癌の予後は癌進展や治療反応性に関わる複数の遺伝的要因が関与していると考えられている。我々は、癌関連遺伝子SNPアレイを用いて、生存期間に関わる遺伝子の同定を試みた。 1979年から2009年までの間に、4施設で骨転移を有する前立腺癌と診断された188例の患者を対象とした。SNP解析にはイルミナ社製Cancer SNP pane1を用いて、408個の癌関連遺伝子における1421のSNPをタイピングし、log rank法を用いて癌特異的生存期間に関与するSNPをスクリーニングした。 False discovery rateのカットオフを30%に設定すると、14個(6遺伝子)の生存期間に有意差を有するSNPが同定された。これら6遺伝子のうち、2遺伝子は各々2qと5qに、各々1遺伝子が10pと12qに存在していた。14個のSNPを用いて癌特異的生存のリスク分類を行った場合、有意に生存期間が短かい高リスク患者を同定することができた(P=0.0027)。次に、6遺伝子それぞれから最も関連度の高いSNPを1個ずつ選び、6SNPsを用いた予後予測モデルを作成した。リスクSNPの個数は有意に癌特異的生存期間と関連していた(P=7.20x10^<-8>)。PSA、ALP、Gleason scoreを因子に加えた多変量解析においても、リスクSNPを4個以上有することは、0-3個と比較して独立した予後予測因子であることが示された(P=1.8x10^<-7>)。 癌関連SNPアレイ解析により、進行性前立腺癌の生存期間に関連する6個の候補遺伝子が同定された。これらの遺伝子のSNP解析と従来の臨床病理学的なリスク因子との併用により、より正確な予後予測や個人に合わせた治療法の選択につながる可能性がある。
|
Research Products
(11 results)