2009 Fiscal Year Annual Research Report
前立腺癌におけるHGF関連因子の発現と浸潤・増殖機構に及ぼす影響
Project/Area Number |
21592036
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
布施 秀樹 University of Toyama, 大学院・医学薬学研究部(医学), 教授 (40143292)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
保田 賢司 富山大学, 大学病院, 助教 (20401854)
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Keywords | 癌 / HGF関連因子 / 転移・浸潤 / HGF / 前立腺 |
Research Abstract |
HGF(hepatocyte growth factor)は、組織再生・修復に関与することに加え癌-間質相互作用のメディエーターとして多くの癌細胞の浸潤・転移能を亢進させる。HGFは、1本鎖の非活性型として分泌されHGF activator(HGFA)により2本鎖の活性型となる。HGFAは2種類のインヒビターであるHGFA inhibitor type 1(HAI-1)およびtype 2(HAI-2)によって特異的に制御を受けていることが知られているが、前立腺におけるHGF関連因子の詳細な検討を行った報告は少ない。前立腺肥大症と前立腺癌患者の血中HGF、HAI-1、HAI-2、HGFAの測定をELISA法にて行った。前立腺全摘除術が施行された症例のHAI-1について検討を行ったところ病理組織学的に限局癌(pT2)であった症例のほうが局所浸潤癌(pT3)の症例より有意に低値であった。前立腺癌細胞株や正常前立腺細胞のHGF関連因子のHAI-1mRNAの発現の有無をRT-PCRにて検討したところ、癌細胞(PC-3、LN-CaP)と前立腺上皮細胞(Pr-EC)にmRNAの発現を認めたが、間質細胞(Pr-SC)にはその発現を認めなかった。前立腺癌細胞株(PC-3、LN-CaP、DU-145)におけるmembrane-typeのHAI-1発現をFlowcytometryで検討したところ、すべての癌細胞株でHAI-1の発現を認めた。
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