2010 Fiscal Year Annual Research Report
前立腺癌の増殖に関与するアンドロゲン応答性遺伝子の同定と増殖関連腫瘍マーカの開発
Project/Area Number |
21592037
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
溝上 敦 金沢大学, 附属病院, 講師 (50248580)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮城 徹 金沢大学, 附属病院, 助教 (60467107)
三輪 聰太郎 金沢大学, 附属病院, 助教 (80507070)
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Keywords | 前立腺癌 / アンドロゲン / cDNA microarray |
Research Abstract |
本年度は、我々は前立腺癌の確定診断のために行う針生検検査で得られた正常前立腺組織4例と前立腺癌組織3例を用いてRNAを抽出後、cDNA maicroarray解析を行った。その結果、すべての前立腺癌組織で2.5倍以上発現の亢進した遺伝子68個、1/2.5以下に発現の減弱した遺伝子74個を同定した。その中には前立腺癌で高発現しているといわれるAMCARはやはり正常よりも少なくとも4.5倍発現が亢進していた。さらに、これらの同定された遺伝子のうち最も前立腺癌で発現の亢進していた遺伝子はB-cell scaffold protein with ankyrin repeats 1(BANK1)であった。逆に前立腺癌で最も発現が減弱していた遺伝子は、phosphodiesterase 8B(PDE8B)であった。BANK1の前立腺癌での機能を明らかにするためにアンドロゲン感受性前立腺癌細胞LNCaPでBANK1 mRNAをsiRNAにてノックダウンし、増殖を調査したところ、non-target siRNAと比べて、明らかに増殖が抑制された。また、別の遺伝子Gene-Sは前立腺がん組織で少なくとも11倍発現が亢進していた。この遺伝子Gene-Sの発現を前立腺癌のtissue microarrayにて調べたところ、明らかに正常組織よりも前立腺癌組織で発現が亢進していたが、前立腺癌では、悪性度が高くなるほど発現が減弱していた。この遺伝子の機能を明らかにするためにLNCaP細胞での強制発現株を作製したり、ノックダウンによって発現を減弱させることにより、このGene-Sは癌抑制遺伝子として働いている可能性が示した。
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