2011 Fiscal Year Annual Research Report
膀胱癌発生におけるVariant cyclin D1bの役割の解明
Project/Area Number |
21592041
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
金 哲將 滋賀医科大学, 医学部, 非常勤講師 (10204968)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 寛一 滋賀医科大学, 医学部, 准教授 (30176440)
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Keywords | 尿路上皮癌 / cyclin D1b / 癌遺伝子 / スプライシング / Tgマウス |
Research Abstract |
Cyclin D1のalternative splicingによって生じるvariant cyclin D1bの機能と癌発生における役割について解析を行った。 1)膀胱特異的promoterであるuroplakin promoterおよび全組織で発現するpCAGG Spromoterの下流からcyclin D1b cDNAを発現するベクターを構築し、それぞれのトランスジェニックマウス(Tgマウス)を作製しマウスの繁殖・系統維持を行った。膀胱特異的cyclin D1b発現Tgマウスでは、これまでの観察・病理解析では膀胱組織に腫瘍性病変を確認できなかった。一方、pCAGGS-cyclin D1b-Tgマウスでは、14Fと26Fの2系統を樹立し、14Fでは雌マウス24匹中15匹、雄マウス24匹中1匹に直腸腫瘍が発生した。一方、26Fでは雌マウス13匹中4匹に直腸腫瘍が発生したが雄マウス8匹には確認できなかった。病理検査では、adenocarcinoma・sessile serrated adenoma・traditional serrated adenomaなどの病変が確認でき、serratedpathwayを介した結腸・直腸発癌のモデルマウスになる可能性が示された。また、この結果からcyclin D1bはin vivoの腫瘍発生に重要な役割を果たしていることがわかった。 2)cyclin D1bTgマウスの直腸腫瘍より細胞株(RT14F)を樹立した。この細胞株はcyclin D1bを発現し、ヌードマウスに腫瘍を形成し、病理検査では腺腔形成が確認できた。RNAiの手法によりcyclin D1bをknock-downすると、細胞増殖・細胞浸潤・足場非依存性増殖・造腫瘍活性が抑えられることが確認でき、RT14Fの悪性化形質には、cyclin D1bが重要な役割を持っていることが確認できた。
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