2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21592050
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
辛島 尚 高知大学, 教育研究部・医療学系, 助教 (60304672)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 啓史 高知大学, 教育研究部・医療学系, 准教授 (00294827)
執印 太郎 高知大学, 教育研究部・医療学系, 教授 (70128601)
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Keywords | ラミニンα1 / 腎細胞癌 / 癌胎児性抗体 |
Research Abstract |
「研究の目的」は、ラミニンα1が腎細胞癌の新規腫瘍マーカーや治療標的分子となりうるかを検討することである。細胞外マトリックスであるラミニンは、基底膜の主な構成成分である。このうちα1サブユニットは胎児組織でのみ発現し、成体組織では発現していない。我々は、特定の腎細胞癌でラミニンα1が高発現していることを確認した。ラミニンα1が新たな癌胎児性抗原として、臨床応用をめざす。 「研究実施計画」ラミニンα1のノックダウンによりin vivo動物モデルで腫瘍形成能の抑制が認められた。また、機能解析においてラミニンα1の変動とともに結合蛋白であるインテグリンの変動が認められた。このことより腎細胞癌においてラミニンα1は機能的役割を担っていることが推測された。また、一部の腎細胞癌患者血漿中で、ラミニンα1が単量体で検出された。通常、生体内でラミニンはα、β、γからなる3量体で構成されている。α1β1γ1のサブユニットで構成されるラミニン1もしくは、α1β2γ1からなるラミニン3である。過剰なラミニン1もしくは3が、細胞外で分解修飾を受け、単量体であるラミニンα1となるか、もしくはラミニンα1単量体自体が高発現し、独自の機能を持つことが推測される。腎細胞癌において、ラミニンα1単量体が、独自の機能を持つことはこれまで報告がなく、探求することは意義がある。対応する結合蛋白の同定をふくめ複合的作用を解明する。 いぜん腎細胞癌患者血漿中のラミニンα1の検出感度は低く、高感度の検出方法の確立が必要である。
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