2009 Fiscal Year Annual Research Report
院内感染症としての多剤耐性緑膿菌尿路バイオフィルムの病原的意義
Project/Area Number |
21592073
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
狩山 玲子 Okayama University, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (40112148)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上原 慎也 岡山大学, 大学病院, 助教 (30379739)
苔口 進 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (10144776)
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Keywords | 緑膿菌 / 多剤耐性菌 / メタロ-β-ラクタマーゼ / プラスミド / 伝達性 / バイオフィルム / 分子疫学 / 院内感染対策 |
Research Abstract |
院内感染対策上、特に留意が必要なメタロ-β-ラクタマーゼ(MBL)産生緑膿菌は、ほぼ全ての抗菌薬に高度耐性を示す傾向が強く、薬剤耐性遺伝子がプラスミド上にコードされていることが多い。そこで、尿路由来MBL産生緑膿菌に着目し、バイオフィルム形成能およびblaIMP-1遺伝子の伝達性に関する検討を行った。対象はIMP-1型MBL産生緑膿菌75株とし、PCR法およびパルスフィールドゲル電気泳動法により、blaIMP-1遺伝子の伝達性を確認した。バイオフィルムアッセイにはマイクロプレートを用い、人工尿中でのバイオフィルム形成能を定量化した。フィルター法による接合伝達実験では、受容菌としてPseudomonas aeruginosa ML5017株、イミペネムとリファンピシン添加の選択培地を用いた。バイオフィルム形成能をOD_570値により3群に分類すると、高度形成群OD_570≧1;35株(46.7%)、中等度形成群1>OD_570≧0.5;31株(41.3%)、低度形成群0.5>OD_570≧0;9株(12.0%)であった。17株(高度形成群6株、中等度形成群6株、低度形成群5株)の接合伝達実験を行った結果、15株でイミペネム耐性が伝達した。伝達頻度が比較的高かった(10^<-4>~10^<-6>)6株中、3株は高度形成群、2株は中等度形成群、1株は低度形成群であった。バイオフィルム形成能が高い緑膿菌は、環境中に長期に生息し、プラスミド性遺伝子の伝達により耐性を獲得している可能性がある。MBL産生緑膿菌の伝播・拡散防止のためには、バイオフィルムを形成させないための医療・療養環境の管理が重要であり、分子疫学的解析を継続する必要がある。
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Research Products
(2 results)