2010 Fiscal Year Annual Research Report
院内感染症としての多剤耐性緑膿菌尿路バイオフィルムの病原的意義
Project/Area Number |
21592073
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
狩山 玲子 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (40112148)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上原 慎也 岡山大学, 病院, 講師 (30379739)
苔口 進 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (10144776)
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Keywords | 感染症 / 細菌 / 緑膿菌 / 多剤耐性菌 / バイオフィルム / 分子疫学 / 院内感染対策 |
Research Abstract |
メタロ-β-ラクタマーゼ(MBL)産生緑膿菌は、ほぼ全ての抗菌薬に高度耐性を示す傾向が強く、院内感染対策上、特に留意する必要がある。そこで、バイオフィルム形成能が高い多剤耐性(MBL産生)緑膿菌の拡散防止のための方策を確立することを主要な目的として基礎的研究を遂行した。 1.バイオフィルム形成阻害剤を効率的にスクリーニングするためのin vitro実験系である新規マイクロデバイスを設計し改良を重ねた。最新型マイクロデバイス(薬剤混合タイプ)の有用性を検討するために、緑色蛍光蛋白質産生緑膿菌株を用いて、デバイスに形成されたバイオフィルムを共焦点レーザー走査型顕微鏡にて観察した結果、基本設計に問題がないことが確認できた。 2.マウスを用いたin vivo尿路バイオフィルム感染症モデルは、Pseudomonas aeruginosa OP14-210株を用いて再現性のある実験系として確立している。菌接種後少なくとも7日間は死亡例がなく、バイオフィルム形成阻害剤の評価に使用可能な実験系である。しかし、リアルタイムイメージングシステム(IVIS【○!R】 imaging system)での観察において、貯尿した膀胱中に生存する発光標識緑膿菌の検出は可能であったものの、膀胱留置のポリエチレンチューブに形成されたバイオフィルムや腎盂ならびに尿路における感染巣の蛍光および発光標識緑膿菌はin vivoでは検出限界以下であることが明らかとなった。IVISでのin vivo観察が可能な新規発光標識緑膿菌株の構築に着手した。 3.緑膿菌におけるMLST (multilocus sequence typing)解析法を確立した。 4.MBL産生緑膿菌株(85株)を用い、可動性遺伝因子であるインテグロンの存在をPCR法で検索した結果、58.8%(50株)に認めた。
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Research Products
(7 results)