2009 Fiscal Year Annual Research Report
円形精子細胞は生殖補助医療に使用可能か:受精諸プロセスにおけるその機能の検証
Project/Area Number |
21592086
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
早坂 真一 Tohoku University, 大学院・医学系研究科, 非常勤講師 (00535099)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺田 幸弘 東北大学, 病院, 准教授 (10260431)
高野 忠夫 東北大学, 大学院・医学系研究科, 非常勤講師 (40282058)
長谷川 久隆 東北大学, 病院, 技能補佐員 (20455835)
大槻 健郎 東北大学, 病院, 助教 (40531330)
今井 紀昭 東北大学, 大学院・医学系研究科, 非常勤講師 (60531332)
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Keywords | 円形精子細胞 / 生殖補助技術 / 受精能 / 発生能 / 不妊症 |
Research Abstract |
平成21年度の本研究の主題は精子細胞が現在までに正常な受精の成立に必要と考えられているファンクションを有するか否かの検討である。さらに、その機能が正常に発現されているかの検証も並行して行うことを予定した。研究の端緒として、ウサギの未成熟精子細胞の顕微授精システムを用いた動物実験モデルを使用した。すなわち、ウサギの円形精子細胞から精子までの各成熟段階の精細胞をウサギ卵子内に顕微注入して、その発育と免疫蛍光染色による精子星状体の発現、すなわち、精子中心体機能を評価した。円形精子細胞の顕微注入後の卵子活性化能は極めて低いことがあきらかになった。さらに円形精子細胞を顕微注入後の卵子内で精子中心体の機能発現である精子星状体の形成は認められなかった。すなわち、この基礎実験からよりは、円形精子細胞には受精の成立に必要な精子中心体機能が備わっていないことが明らかになった。さらに、円形精子細胞注入後の卵子に人為的な活性化処理をおこなったが、精子星状体の形成は認められなかった。すなわち、ヒト臨床でも円形精子細胞を使用する場合は補助活性化処理のみならず、その中心体機能を補助するような方法が必要であることが考えられた。研究用に使用するヒト精巣組織のサンプリングに関しては当初の予想より、その症例数をそろえるのに時間がかかっている。次年度以降にヒト精子細胞を用いた本格的な検討を始める予定である。
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Research Products
(3 results)