2011 Fiscal Year Annual Research Report
早産例における分娩監視ならびに羊水所見からみた適切な分娩時期の決定
Project/Area Number |
21592091
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
米田 哲 富山大学, 大学病院, 講師 (30345590)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斎藤 滋 富山大学, 大学院・医学薬学研究部(医学), 教授 (30175351)
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Keywords | 早産 / 絨毛膜羊膜炎 / FIRS / 新生児予後 |
Research Abstract |
切迫早産は、絨毛膜羊膜炎の存在によりその分娩予後・新生児予後が大きく影響される疾患であり(CP,MR,CLDと関連が強い)、その分娩時期が重要である。しかしながら、未熟性の強い早産児においてそのタイミングは極めて難しく、最適な分娩時期についてはまったく知られていない。このため、切迫早産患者の羊水所見とCTG所見を利用して後方視的に検討し、早産新生児の予後の改善が可能であるか調査することを目的とした。これまでの切迫早産症例で採取した400例の羊水中の炎症性サイトカイン、IL-8、IL-6、IL-17をELISA法で測定し、その分娩時期との関連につき検討し報告した。特にチオレドキシンは強い抗酸化作用を有し、成人肺異形成(BPD)の治療薬としても注目されており、新生児慢性肺疾患(CLD)との関連性についても検討し報告した。その他、炎症性サイトカインと抗炎症物質との比を算出し、従来行なってきた羊水中のIL-8単独を上回る絨毛膜羊膜炎やFIRSを診断する指摘となるか否かを検討する。また、今後は早産児予後不良となるCTGモニター所見に関する検討を追加し、羊水中の炎症所見と胎児心拍数の変動から新生児予後に与える影響につき検討を加える。新生児予後不良因子が明らかとなればその娩出タイミングについて再検討し、娩出のタイミングに問題があるようならば早産新生児予後の改善に期待できる可能性があると考える。 前期破水後羊水量が減少(羊水ポケット〈10mm)72時間以上経過した場合、および切迫早産例で胎児頻脈(>157bpm)かつ羊水中IL-8値(>32.5ng/ml)を認める場合には予後が不良である可能性あることを導いた。また、早産症例において羊水中IL-8高値および抗ストレスマーカーであるTRX高値例では、新生児の慢性肺疾患が有意に高率に発症する可能性を示した。
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Research Products
(6 results)