2009 Fiscal Year Annual Research Report
母体血小板と絨毛細胞の相互作用:PIH、IUGRの病因解明をめざして
Project/Area Number |
21592095
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
佐藤 幸保 Kyoto University, 医学研究科, 助教 (00508236)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤原 浩 京都大学, 医学研究科, 准教授 (30252456)
松村 謙臣 京都大学, 医学研究科, 助教 (20452336)
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Keywords | 絨毛外トロホブラスト / 血小板 / 浸潤 / 血管リモデリング / 妊娠高血圧症候群 / 子宮内胎児発育遅延 |
Research Abstract |
人工妊娠中絶より胎盤組織サンプルを20検体以上収集した。これらのサンプルより、本研究代表者が確立した方法を用いて絨毛外トロホブラストの分離を行った。得られた絨毛外トロホブラストを妊娠女性の末梢血由来の血小板と48時間共培養することにより、胎盤の母児境界面に見られる血管内トロホブラストに似た円形細胞への形態変化を誘導できることが確認できた。また、通常の培養を同時間行った場合には脱落膜組織内にある間質トロホブラストに似た紡錘形細胞に形態変化することも確認できた。 これらの円形細胞および紡錘形細胞からRNAを抽出してcDNAを作成し、RT-PCRにより絨毛外トロホブラストでの重要な機能が想定されている種々の分子についてその発現を調べた。その結果、他の研究者が血管内トロホブラストで発現が増強すると報告しているインテグリンα1の発現が紡錘形細胞に比べ円形細胞により強いことが判明した。また、本研究代者が血管内トロホブラストに特異的に発現することを報告したケモカイン受容体CCR1にっいても、円形細胞に発現が強いことが分かった。これらの結果は分離した絨毛外トロホブラストを血小板と共培養することにより、in vivoにおける血管内トロホブラストに分化させることができるという本研究代表者の仮説を裏付けるものであった。 現在、in vitroで形態変化させた円形細胞と紡錘形細胞から抽出したRNAサンプルが10ペアそろっており、本研究実施計画にあるマイクロ・アレイ分析を行うために共同研究者にそれらのサンプルを提出する準備を整えている。 また、「母体血小板が血管内トロホブラストによる母体血管リモデリングを促進している」という本研究代表者の仮説を総説として英文雑誌(Medical Molecular Morphology)に投稿することで、世界に発信する足がかりができた。
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Research Products
(4 results)