2011 Fiscal Year Annual Research Report
母体血小板と絨毛細胞の相互作用:PIH、IUGRの病因解明をめざして
Project/Area Number |
21592095
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
佐藤 幸保 京都大学, 医学研究科, 助教 (00508236)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤原 浩 京都大学, 医学研究科, 准教授 (30252456)
松村 謙臣 京都大学, 医学研究科, 助教 (20452336)
|
Keywords | 絨毛外トロホブラスト / 血小板 / 浸潤 / 血管リモデリング / 妊娠高血圧症候群 / 子宮内胎児発育遅延 |
Research Abstract |
人工妊娠中絶より採取した胎盤組織サンプルより、本研究代表者が確立した方法を用いてextravillous trophoblast(以後EVT)の分離を行い、それを実験に供した。これまでの当研究グループの検討で、血小板との12時間の共培養により分離EVTの浸潤能が亢進すること、48時間の共培養により分離EVTに胎盤に見られる血管内EVT(endovascular trophoblast、以後eEVT)に似た円形細胞への形態変化を誘導できることが明らかとなっており、それらが本研究実施計画をたてる発端となっている(Sato et al.Blood 2005)。 平成21年度には、血小板共培養群およびコントロール群から抽出したRNAサンプルを用いてマイクロ・アレイ解析を行った。その結果、血小板共培養群で有意に高発現しているいくつかの分子を同定することができた。 平成22年度には、マイクロ・アレイ解析で明らかになった血小板共培養により発現が増強する分子のうち細胞表面分子に着目した。その蛋白発現を免疫組織染色により検討したころ、血小板共培養群で発現が増強していたmelanoma cell adhesion molecule (MCAM)が、実際の胎盤組織においても脱落膜を浸潤する間質EVT (interstitial trophoblast、以後iEVT)に比べ、eEVTで発現が高いことが明らかになった。現在EVTにおけるMCAMの機能を解析するために、MCAM特異的siRNAを分離EVTに導入し、MCAM発現をknock downすることを試みている。 以前の当研究グループでの検討で、血小板由来因子のなかでchemokineが分離EVTの浸潤亢進に働いていることを明らかにした( Sato et al.Development 2003)。そこで平成23年度には、血小板由来因子の一つであるsphingosine-1-phosphate (S1P)に着目した。SIP受容体のmRNAおよび蛋白が分離EVTに発現しており、S1Pの添加により、分離EVTの浸潤が亢進することを見出した。この知見については現在投稿に向けて準備中である。
|
Research Products
(8 results)