2009 Fiscal Year Annual Research Report
薬用ハーブパルテノライドによる子宮内膜症細胞増殖抑制に関する基礎研究
Project/Area Number |
21592098
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
谷口 文紀 Tottori University, 医学部附属病院, 講師 (40322218)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原田 省 鳥取大学, 医学部, 教授 (40218649)
岩部 富夫 鳥取大学, 医学部, 准教授 (10284001)
出浦 伊万里 鳥取大学, 医学部附属病院, 助教 (50464293)
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Keywords | 薬用ハーブ / 子宮内膜症 / パルテノライド / エストロゲン |
Research Abstract |
子宮内膜症の罹患率増加は、少子晩婚化などのライフスタイルの変化に関連することから社会的関心も高い。最近の健康ブームと関連して、薬用ハーブの効能あるいは植物性エストロゲンを含む栄養補助食品などの過剰摂取とエストロゲン依存性疾患との関連が注目されている。内膜症の増殖・進展に関する様々な遺伝子発現情報は氾濫していることから、焦点を絞った解析により内膜症細胞の生物学的特徴を探求する。欧米では古くから頭痛や関節炎の緩和に用いられている薬用ハーブ(ナツシロギク)の成分であるパルテノライドが、NFκBの作用を強力に阻害することにより抗炎症作用や癌転移抑制効果を有することが注目されている。本研究では、NFκB阻害に主眼を置いた検討により、子宮内膜症細胞の増殖抑制メカニズムを解明することで天然型NFκB阻害剤パルテノライドを用いた副作用のない新しい子宮内膜症治療法の確立を目指す。卵巣チョコレート嚢胞の異所性子宮内膜症組織と同一症例の正所性子宮内膜組織、子宮筋腫患者の子宮内膜組織を保存している。培養間質細胞系を用いてパスウェイ特異的DNAマイクロアレイを利用して、パルテノライド添加により特徴的な発現を示す遺伝子群を探索している。また、パルテノライド添加によるのIL-6、IL-8などの炎症性サイトカイン産生抑制効果、ならびに子宮内膜症細胞が有する薬剤性アポトーシス抵抗性への抑制効果を検討している。 本年度は、(1) NFκB経路の重要なシグナル伝達分子であるTAK1の役割と、(2) 薬剤誘導性アポトーシスにおいて、サバイビン遺伝子が子宮内膜症細胞の特徴である抗アポトーシス機構に重要であること、(3) TNFαの遺伝子発現抑制により、炎症惹起物質リポポリサッカライドにより誘導される子宮内膜細胞増殖が低下することを報告した。
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Research Products
(5 results)