2010 Fiscal Year Annual Research Report
排卵過程においてメラトニンは卵胞内で活性酸素種から卵や顆粒膜細胞を保護する
Project/Area Number |
21592099
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
田村 博史 山口大学, 医学部附属病院, 准教授 (50379947)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹谷 俊明 山口大学, 医学部附属病院, 助教 (70464328)
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Keywords | メラトニン / 卵 / 顆粒膜細胞 / 酸化ストレス / 卵胞 |
Research Abstract |
卵胞内の酸化ストレスをメラトニンが抑制できるかどうかを検討した。 (1)3週齢雌ICRマウスにpregnant mare serum gonadotropin (PMSG)10 IUを投与し、48時間後に卵巣を摘出、卵胞を穿刺し顆粒膜細胞を採取した。顆粒膜細胞培養を(1)コントロール(C群)、(2)メラトニン(100μg/ml)のみ添加する(M群)、(3)酸化ストレスとして、H2O2(100μM)を添加する(H群)、(4)H2O2投与前30分にメラトニンを添加する(H+M群)、の4群において行い、2時間後に細胞を4%パラホルムアルデヒドにて固定した。酸化ストレスマーカーとして、8-OHdG(8-hydroxy-2'-deoxyguanosine)に対する抗体を用いて蛍光免疫染色を施行し、共焦点レーザー顕微鏡による観察および画像解析ソフト(cell profiler)による解析を施行した。顆粒膜細胞の核内8-OHdG染色強度は、C群:93±39、M群:111±66、H群:313±210、HM群:123±70、とH2O2添加で有意に上昇し、メラトニン同時添加で低下した。 (2)同様にH2O2とメラトニンの顆粒膜細胞のapoptosisに対する影響を検討した。(1)実験の4群において顆粒膜細胞核に断片化をみとめる細胞を観察しapoptotic cellの割合を測定した。C群:6%、M群:7%、H群:21%、HM群:8%、とapoptotic cellの割合はH2O2添加で有意に上昇し、メラトニン同時添加で低下した。 以上の結果より、メラトニンは卵胞内で活性酸素からの酸化ストレスを軽減し、顆粒膜細胞のapoptosisを抑制していることが明らかとなった。
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