2010 Fiscal Year Annual Research Report
抗菌剤と抗エストロゲン剤を用いた子宮内膜症の新たな治療法の開発に関する基礎的検討
Project/Area Number |
21592101
|
Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
KHAN KHALEQUE 長崎大学, 医歯薬学総合研究科, 助教 (60336162)
|
Keywords | 子宮内膜症 / 細菌性エンドトキシン / estradiol (E2) / TLR4 / 腹水 / Mφ / anti-TLR4 antibody / 細胞増殖 |
Research Abstract |
子宮内膜症の増殖は、卵巣ステロイドホルモンの他に骨盤内の自然免疫系によって管理されている。我々は以前、細菌性エンドトキシンによりToll-like receptor 4を介して子宮内膜症の増殖が調節されることを報告した。今回我々は、マクロファージ(Mφ)により調節される炎症反応に関してエストロゲンとエンドトキシンの子宮内膜細胞の増殖に対する相乗的な影響について検討した。 子宮内膜症女性46人および非内膜症女性30人の腹水(PF)から同意を得てMφを分離した。Mφの卵巣ステロイド受容体(ER/PR)は、免疫染色とRT-PCRによって確認した。エストラジオール(E2)/プロゲステロン(P)およびLPSによって刺激されたMφによるサイトカイン産生はELISA法で、HGFとそのレセプターであるc-MetはRT-PCRによって計測した。子宮内膜細胞の増殖はプロモデオキシウリジン(BrdU)取込能によって調べた。 CD68陽性Mφは、初期の子宮内膜症や非内膜症女性と比較して、進行した子宮内膜症においてより多く認められた。MφでのER/PR蛋白および遺伝子発現は正常コントロールと同様に認められた。正常コントロールまたは未処置の細胞と比較して、E2(10-8M)存在下での子宮内膜症MφからのHGFおよびVEGF産生は有意に高値であった。Mφおよび子宮内膜間質のHGFとc-MetのmRNA発現は、E2存在下でともに増加した。卵巣ステロイドに対するMφを介したHGF/VEGFの産生は、LPS処置でさらに増強された。E2(10-8M)とLPS(10ng/mL)で処置を行うと、正所性および異所性子宮内膜間質細胞の増殖に相乗的に作用した。細胞増殖に関するこのE2+LPSの影響は、コントロールと比べて子宮内膜症女性においてより明らかであった。 免疫系および内分泌系の相互作用は、骨盤内炎症反応および子宮内膜症の増殖を促進させることが示された。
|
Research Products
(18 results)